誰にも侵入されないように下ろした、窓のクレッセント錠。閉め切ったベージュのカーテンに、肌寒い冷房の風が当たって静かに揺れる。私の心も、こんなふうに不安定に見えるのだろうか。/2017年製作。女性の揺れ動く心情をテーマにしたお話です。女体盛りのシーンがあります。
叫びたくても、口に詰め込まれた布がそれを許してくれない。可奈は、真っ暗な視界の中で必死に酸素を取り込んだ。かび臭いような、腐肉のような、不快な臭いが嗅覚を刺激する。自然と嗚咽が込み上げるが、この状況で嘔吐すればもっと最悪な事態を招くことは五歳の可奈でも十分に理解できた。/2019年製作。年齢制限なしでカニバリズムを書く試みです。
極彩色のネオン。往来を走る車が、威嚇するようにクラクションを鳴らした。美亜は不安から、繋いだ手にぎゅっと力を込める。十二月に入ってから、一段と日没時間が早くなったように感じるのは気のせいではないはずだ。太樹は、美亜の手を握り直した。冬が近付くと一日が短くなったみたいで切ない、と少し前に、美亜が言っていたのを思い出したからだ。/2019年製作。女装がテーマの作品です。
生きとし生ける者全て、使命を持って産まれてくるんだと私は思う。 ただし成すべきことを本人が理解できるかどうかはまた別の話。運良く到達したとして、運悪くビルから飛び降りたあとだったら意味がない。 その点、私は幸せ者だ。 /2019年製作。自殺がテーマのアンソロに寄稿予定だった作品です。
オーストリア全域に雨が降っていた。まるで届いたばかりの悲しい知らせに申し合わせたかのようだ、と彼は手配したハイヤーの車窓から灰色の空を眺めて思った。/2018年製作。
対岸の火事を見ている。それはことわざでも比喩でもなく、小高い丘に腰を下ろした喜多は、眼下に広がる民家がもうもうと煙を上げて燃えさかっているのをただ黙って見つめていた。/2018年製作。聾唖の女性と恋をするお話です。ややグロテスクなシーンがあります。
奇妙な味の小説:僕の友人はいい物を持っている。それを欲しいという人に惜しげもなく、相手の持っているものととりかえる。そんな彼の人生は
宮崎県を創聖(そうせい)するニュヒーロー! 日神(にっしん)ジャスティオージ!新たな時代、太陽のクニで繰り広げられる これは運命に導かれた人々と神々が繰り広げる真実のものがたりである。
「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という格言は有名ですが、はたして、深淵をのぞいた時点で、自分も正常でいられるのでしょうか。すでに怪物に片足を突っ込んでいるのではないか、と考えてしまうのは野暮なことでしょうか。
主人公が働いてる会社に巨乳同僚がいるのだが、ついつい目が行ってしまい…… その同僚とエッチなことをすることになり、いつの間にか恋人になっていた。