「家族を助けてくだされば、この身を捧げます」 桜降る、とある春の日。 凶賊の総帥であるルイフォンの父のもとに、貴族の少女メイシアが訪ねてきた。 凶賊でありながら、刀を振るうより『情報』を武器とするほうが得意の、クラッカー(ハッカー)ルイフォン。 そんな彼の前に立ちふさがる、死んだはずのかつての血族。 やがて、彼は知ることになる。 天と地が手を繋ぎ合うような奇跡の出逢いは、『di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア計画(プログラム)』によって仕組まれたものであると。 出逢いと信頼、裏切りと決断。 『記憶の保存』と『肉体の再生』で死者は蘇り、絡み合う思いが、人の絆と罪を紡ぐ――。 近現代の東洋、架空の王国を舞台に繰り広げられる運命のボーイミーツガール――権謀渦巻くSFアクション・ファンタジー。
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やはりあの冬の日なんだ すべてが始まり すべてが終わったのは それでも僕は生きていく 疚しさ引き摺り生きていく そう。あの冬の日から3年半。僕はこうして生きている。詩を紡ぐのも、やめない。これが僕の生きる理由だから。存在証明のためだとか、レゾンデートルのためだとか言いたいんじゃない。僕はただ幸せでいたいんだ。涅槃文学よ、ありがとう。僕はまたイデアの海に溶け込んで、その冷たい水の感触と寒空の下でまた、陽だまりの中でまた、会えますように。
阿付利隗(あふりかい)は30半ばのサラリーマンだ。 行きつけの居酒屋の人妻「紗和(さわ)ちゃん」にホレているものの、なかなか言い出せない。 そんな折、男色で有名なバーのママに言い寄られ、貞操の危機に陥るものの逃れ、以後、ママは彼の恋に協力することになる。 一方、「紗和(さわ)ちゃん」には夫婦間の微妙な秘密があった……。
恋をした。はっとした。ほっとした。 輪廻を止めて、夜を手放して、永久を纏った。 小説と詩の間。美と現実の間。死と永遠の間。そこに、何があるのかを求める者よ。 超芸術、超新感覚派、または駄作か。 いや、これは革命なのだろうか。