鎌田探偵事務所に勤務する主人公の伊達は、肉牛組合の河田理事長から宮崎県の口蹄疫の調査依頼を受ける。初発農場がどこか終息から半年経っても解明されていなかったからだ。この業界に無知な伊達は先輩の新聞記者や土地の古老から適宜情報をもらいながら被害農家や獣医師を訪ね、真実に迫る。その間1人駐在の美人記者が伊達に接近するが、女は疑惑の大規模牧場に勤務する獣医師の妹だった。1ヶ月たって東日本大震災が起きた。この想定外の出来事が起因して大規模牧場の資金繰りが悪化し、専務の近藤は、伊達の調査を暴力で妨害せんとするも失敗に終わる。伊達は彼らに内通していた人物を知り愕然とする。伊達の雇い主と、土地の古老が相手とつながっていたのだ。
五〇〇年前に世界から幽閉された国・ロストヘブン。 何故、幽閉されたのか……その答えを知る者はロストヘブンの首都・大都市エデン内で一部の人間のみ。 世界中から監視されているその閉鎖国内で、五〇〇年前から企てらた計画が発動されようとしていた。 ……だが、その計画を完遂させるには『一人の男』の覚醒が必要不可欠だった――。
失ってしまった人に想いが残るのは、誰にもあることです。 でも、二度と会えない処に行ってしまった人は、もうどんな言葉を掛けようと 戻りません。 そんな人への想いを綴ったレクイエムです。
まったく人気の出ない路上ミュージシャン。 そんな主人公の歌を始めて聴いてくれたお客は、薄汚れた酔っぱらいのオヤジだった。 始めは邪険にするものの、オヤジの告げる言葉は主人公の歌を変えてゆく。 「もしかしたら、このオヤジは歌の神様?」
大学受験に失敗して祖父の経営していた古本屋を受け継ぐことになった主人公は、毎日暇を持て余していた。 そんなある日、店内に置かれていた木製のソファーを売ってほしい、という妙な少女が店に訪ねてくる。 ゴスロリファッションに身を包んだ少女と、今一やる気のない主人公の話。