朱鞠内湖

朱鞠内湖

いま何処にいるの?

風がそよぐ湖岸沿いのプロムナード
君の声が携帯電話から聞こえ
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落ち葉の気配を感じながら
二人で漂った季節はずれの湖面
冷たい波が二人をすり抜け
君の優しさだけがぬくもりだった

ボートを漕いでみたいときみ
心もとない低い空が湖水に映って
バランスを取りながらすれ違うと
淡いボンベイサファイアの香りがした

遠い世界へ行きたいときみ
揺れつづける波に戸惑いながら
きみのとび色の瞳に
答えを出せず目を閉じた

いつか再会したいときみ
残り少ない陽射しの光と影
白い貝殻が封印されたガラス瓶
乗り手のいないボートたち

朱鞠内湖

朱鞠内湖

最北の湖、朱鞠内湖。季節外れの静かな自然に囲まれて・・・

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-10-31

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