文永の年、紀州熊野を歩く念仏聖、智真は一人の僧に行く手を遮られた。世俗の縁を捨て、念仏を勧めて生きることに生命を懸けようと、勧進に踏み出したばかりの智真は、僧の疑念に応えることが出来ず、熊野本宮に篭もる。そこでの幻想体験を通じ、智真は一遍と名を改め新生する。 時宗の始まりの物語。
中島敦「山月記」のパロディ。くろはによる漫画作品「帰宅部活動記録」中のネタと、森見登美彦による「山月記」(『新釈 走れメロス』所収)から着想を得た。【短編 8,468文字】
雨神として存在するカエルの神さま達のお話。 ほのぼの目指します。 人間が足を踏み入れない場所には人間の知らないことがある……。
王の台地を取り囲む4の地方をもつ多種族国家、スピランザ王国。 遥か昔、滅びの危機を迎えたこの国は時を同じくして生まれた四精と呼ばれる精霊たちによって王政が復活。10の種族を取り纏める大国へと成長し今日まで平和を保ってきた。 しかし主人公、ララとかつていたはずの11番目の種族、そして近年問題視されている自然災害・ティフィーネ。三つの因果が明らかになるとき時代のうねりは大国の未来を大きく動かしていく。
封鎖国家エスフォルには呪われた歴史が存在した。その中心人物であるフランチェシカの末裔、ベルは祖母とともに自然保護地区に名を変えて平和に暮らしていたが、ある時静かに守られていた彼女の秘密が暴かれベルは禁じられていた城壁の外へと旅立つ。