番外編 くろっかす!2.5話『勘違いに要注意⁉』


番外編 くろっかす!第2.5話『勘違いに要注意⁉』
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登場人物
小鳥遊 彩希(たかなしさき):
御伽 風音(おとぎかざね):
野久保 灯樹(のくぼとうじゅ):
百瀬 夕(ももせゆう):
(演者敬称略)

※Qフリは、夕役の方がお願いします。


夕N「くろっかす!第2.5話。番外編『勘違いに要注意!?』」可愛い

灯樹「風音ちゃん、選抜入りおめでとう。」
風音「とうくん!ありがとう!すごく緊張したけど、こうやって選ばれるのは嬉しいなぁ。」
彩希「夕もなんとか選ばれたらしいし、文化祭が楽しみですね!」
灯樹「そうだね。でも、見るだけだと思って安心はできないよ?」
彩希「え?どういうことですか。」
灯樹「これだよ。」
彩希「…ん?これは」
風音「部活動対抗パフォーマンス大会…?」
灯樹「僕も入学してから見たことのない試みだね。多分生徒会が考えたんだと思うけど…。」
彩希「パフォーマンスねぇ…何をするんですか?」
風音「文化部は、部活動の内容に特化したパフォーマンスをするんだろうけれど…うち、そもそも部活じゃないし…。」
灯樹「clocka’sのパフォーマンスは…ずばり!」
風音「ずばり…?」
彩希「ずばり…?」
灯樹「劇をしようと思うんだ。」
彩希「…え?」
風音「…いやいやいやいや。芸能科の生徒が集まった演劇部がいるのに?劇するの?」
灯樹「うん!」
彩希「うぅっ…!野久保先輩の笑顔が、眩しい…!」
風音「とうくん…。」
灯樹「大丈夫だよ!台本は僕が書いておくから。」
彩希「準備が良いんですね…!?」
灯樹「ふふっ(満面の笑み)」
彩希「うぅっ!やっぱり眩しい!逆らえない…!」
風音「…(呟くように)とうくんの笑顔が、眩しい…?」
彩希「わ、分かりました!野久保先輩の台本、待ってますね!」
風音「(呟くように)とうくん、後光なんてさしてたかな…?」
灯樹「頑張って良い物を書くよ。楽しみにしててね。」

夕N「翌日のclocka’s部室前にて」

彩希「お疲れ様でー…あれ?」
風音「私は、貴方にとってしがらみにしかならない。だから!あなたは私以外の誰かと幸せになるべきなの。」
灯樹「それでも、諦められないんだ!」熱烈に
彩希M「風音先輩と野久保先輩…?二人で、何を話してるんだろう…?」
風音「やっぱりだめだよ…!こんなの…!」
灯樹「どうしても諦めきれないんだ。僕は、君の事が…好きだ!」らに変える?
彩希「!?」
風音「…あ、彩希ちゃん!お疲れさ」
彩希「(被せ気味に)失礼しました!」
(彩希、部室を飛び出す。)
風音「彩希ちゃん!?」
灯樹「ん?小鳥遊さん、どうしたんだろう?」
風音「さぁ…?それにしても、思ってたよりもとても面白くてびっくりしちゃった!とうくん文才あるんじゃない?」
灯樹「そうかな?元々小説を読むのは好きだから。書き始めてみたら、思っていたよりスムーズに筆が進んだんだ。」
風音「すっごく面白いラブストーリーだよ!やっぱりこのヒロインは彩希ちゃんかなぁ。」
灯樹「風音ちゃんがやっても良いんだよ?」
風音「えぇ?私がやっても華がないよー。」

彩希M「まさか、野久保先輩が風音先輩の事が好きだったなんて…!全然知らなかった…。確かに、幼馴染だって言ってたし仲も良さげだけど…!」
彩希「…なんでだろう。すごくもやもやする。」
夕「…あ、小鳥遊さん!」
彩希「夕!どうしたの、こんなところで。」
夕「文化祭に向けた稽古の休憩中なんです。普通科棟の自販機にしか売っていないジュースがあって、それ目当てにここまできたんです。」
彩希「そうだったのね。どう?稽古は順調?」
夕「はい!選抜のメンバーが先輩方ばかりですが、いい緊張感の中でやらせてもらっています!」
彩希「そっかそっか、夕も頑張ってるのね!」
夕「(照れ笑いを浮かべながら)それほどでもないですよ…!ところで、小鳥遊さんは、どうしてここに?」
彩希「あたしは…えっと。」
夕「ん?」
彩希「…実はね。」
彩希M「気付いたら、あたしは涙を流しながら夕にさっきの出来事や自分の気持ちを吐き出していた。まだ知り合ったばかりの先輩に対して恋心を抱くなんて、軽い女だ。なんて思われるのは嫌で、自分の気持ちから目を逸らしてる。話をしているあたしは、心の中で自分に言い訳をして責めていた。」
夕「…そっか。」
彩希「…ごめんね、休憩時間にこんな話聞かせちゃって。」
夕「いえ!とっても綺麗な気持ちだなって思いました!」
彩希「…綺麗?」
夕「はい!とっても綺麗だからこそ、壊したくなくて大切に守っている気持ち。と言えば良いんでしょうか…綺麗だなぁって。」
彩希「べ、別にそんな事…!」
夕「私(僕)はこの話を聞いて、簡単に『告白したら?』とは言えません。その気持ち、よく分かるから。…でも。」
彩希「でも…?」
夕「…後悔は、しないでくださいね。」いいね!!
彩希「!」
夕「(慌てて)あ、別に重く捉える事はないんです!私(僕)は後悔した訳ではないですし。ただ、行動せずに後悔するのはもったいないなって。」
彩希「…そう、よね。」
夕「小鳥遊さん、明るくてとっても素敵な方なんですから!自信持って良いんですよ?」
彩希「へ!?」
夕「私(僕)がclocka’sの皆さんにお世話になった時も気にかけてくださいましたし。」
彩希「あれは…まぁ…。」
夕「…あ、そろそろ稽古に戻らなくちゃ。」
彩希「ありがと、夕。」
夕「いえ!これくらいなんとも。…あ、そうだ。」なんとも…?
彩希「ん?」
夕「clocka’sの皆さんのパフォーマンス、楽しみにしてますね!」
灯樹「ありがとう。僕たちも、百瀬さんの演技を楽しみにしているよ。」
彩希「野久保先輩!?」
夕「(ぽかんとして)あ、ありがとうございます…?」
灯樹「自己紹介が遅れてごめんね。僕がclocka’sのリーダーです。野久保灯樹、農業科の三年だよ。よろしくね。」
夕「!?」
彩希「な、なななな、なんでここに…!?」
夕「(被せ気味)そうだったんですね!先日はありがとうございました!精一杯頑張ります!それでは!」被せよきよき。語尾元気欲しい
(夕がその場を去る)
彩希「ちょっと!?」

少しの間

彩希「…あの」
灯樹「(被せ)小鳥遊さん」
彩希「ひゃいっ!」
灯樹「心配したよ。」心配かんいいね~
彩希「す、すみません…!」
灯樹「僕だけじゃない、風音ちゃんも心配した。」
彩希「本当にすみません…!」
灯樹「とりあえず、戻ろうか。部室でゆっくり話そう。」
彩希「は、はい…。」

夕N「二人は、風音先輩の待つ部室に向かいました。小鳥遊さん、この後どうなっちゃうんでしょう…。」

風音「あ、おかえり!よかった、彩希ちゃん見つかったんだね!」
灯樹「うん。」
彩希「あの、御心配をおかけしました…。」
風音「本当に心配したんだよ?急に『失礼しました!』なんて言って部室を飛び出して行っちゃうんだもん。」
彩希「あの、本当に返す言葉が無いデス…。」
風音「ヒロインが居なくちゃ、ストーリーが始まらないんだから!」
彩希「へ?…ヒロイン?」
灯樹「今回僕が書いたラブストーリーのヒロインを、小鳥遊さんに任せようと思うんだ。」
彩希「あ、あたしにですか!?」
風音「絶対彩希ちゃんの方が華があると思うの!お願いっ!」
彩希「ぜ、全然良いんですけど!むしろ私で良いんですか?!…だって」
灯樹「何を遠慮しているか分からないけれど、僕も小鳥遊さんに演じてもらいたいな。」
彩希「の、野久保先輩…!」
灯樹「僕の書く台本、待ってますって言ってくれたこと。嬉しかったからね。」
彩希「…分かりました!あたしでよければ、精いっぱい頑張ります!」
風音「よかったね、とうくん!」
灯樹「うん、本当に。」

少しの間

風音「ところで彩希ちゃん。」
彩希「はい?」
風音「どうして急に部室を飛び出しちゃったの?」
彩希「へ!?いや、それは…。」
灯樹「それは?」
彩希「その、野久保先輩の告白現場を見て…しまったからで…」
灯樹「え?」
風音「とうくんが告白!?誰に!?」
彩希「風音先輩ですよ!『諦められないんだ。僕は、君の事が…好きなんだ!』って!それであたし、すごく悲しくて」
灯樹「(「すごく」の部分で被せてクスッと笑う)」
風音「違うよ!あれ、台本の一部だよ!文化祭の時は、彩希ちゃんが読むんだから!」
彩希「…へ?台本?」
灯樹「そうだよ。風音ちゃんに協力してもらって、少し読んでみただけ。」
彩希「な、なんだ…あたしてっきり…」
風音「彩希ちゃんが出て行ったときはね…」

夕N「小鳥遊さんが部室を飛び出した頃。」

(回想)
風音「彩希ちゃん!?」
灯樹「ん?小鳥遊さん、どうしたんだろう?」
風音「さぁ…?それにしても、思ってたよりもとても面白くてびっくりしちゃった!とうくん文才あるんじゃない?」
灯樹「そうかな?元々小説を読むのは好きだから。書き始めてみたら、思っていたよりスムーズに筆が進んだんだ。」
風音「すっごく面白いラブストーリーだよ!やっぱりこのヒロインは彩希ちゃんかなぁ。」
灯樹「風音ちゃんがやっても良いんだよ?」
風音「私がやっても華がないよー!この相手役の男の子は、とうくんがやるの?」
灯樹「ふふっ、どうしようかな。みんなで話し合おうか。」
風音「そうだね。まずは彩希ちゃん探しに行かなくちゃ!」
灯樹「うん。手分けして探しに行こうか。」
風音「はーい!」

(回想終わり)

夕N「どうやら、小鳥遊さんの盛大な勘違いだったみたいですね(クスっと笑う)。
(小声で)良かったね、小鳥遊さん!」もちょい小声!

彩希「そうだったんですね…勘違いしちゃいました、お恥ずかしい…。」

彩希M「でもこれ、あたしがヒロインで決定ってことはあたしが野久保先輩と…!?どどど、どうしよう緊張が…!!!」

灯樹「あ、夜坂君今委員会が終わったってメッセージ来たよ。今こっちに向かってる。」
風音「奏真も、さっき日直の仕事終わったって言ってたよ。」

彩希M「(二人の話を聞いていない)野久保先輩と恋人設定…ど、どこまで恋人らしいことする感じなのかな…!うわわわ、心臓持つかなぁ…!!」

夕N「その後。メンバー全員がそろったclocka’s部室で話し合いが行われた結果。」
灯樹「それじゃ、ヒロインは小鳥遊さん。相手役は夜坂君で決定だね。」
風音「さんせーい!」

夕N「(苦笑まじりに)小鳥遊さんの乙女な思考回路は、叶わぬ夢となってしまったのでした…。」


彩希「なんであたしが夜坂なんかに告白されなきゃなんないのよーーー!!!!」

番外編 くろっかす!2.5話『勘違いに要注意⁉』

番外編 くろっかす!2.5話『勘違いに要注意⁉』

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-02

CC BY-NC-ND
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