―― 君が、無事に帰れてよかった ―― 君が、雨に濡れて無くて良かった ―― 君が、もう、一人じゃなくて良かった ―― ……我が、居らずとも
雪積もりを意味する北欧の街スノウウィーは、サンタクロースのみが住んでいた。その中でもとびきり若いサンタクロースのコパンは普通の人間との繋がりを求め出す。サンタクロースのプレゼントの魔法の力は悪魔との契約の産物だ。そんな噂がコパンの心を揺れ動かす。 今年のプレゼント配送の地は極東の島国日本。日本に行けば自らの魔法の力の源泉のヒントがあると長老に言われる。意気揚々と赴いた日本はとても穏やかで、悪魔との関係性は無いように思えた。しかし、悪魔の囁きはいつも気付かない所で行われる。 コパンの信ずる道は、神の道か。それとも破滅への道か。