ツイッター(2018年)

1. 盃の縁だけ舐めてひっくり返す 好きな女の尿の香り


2. 恋人の切なる思い届かずに どこへ行ったかパンツとシーツ


3. 黎明 男の腕(かいな)に噛み付いて
モーニングには 間に合わないで


4. 『ちん★よし』落ちこぼれの私が世界を救う!?魔法少女になるにはちんちんをよしよしすればいいってそれ本気で言ってるの!ぴょんたと私とちんちんのドキドキアクションアニメ、今春スタート!今日もちんちんよしよししよ❤
上手にちんちんよしよしできないと返信ができないなんて聞いてないよっ!敵は今にも私を犯そうとしてるってー!助けてぴょんた!テンガを持ってきて!


5. 耳たぶにニキビができた。ついいじってしまい、ぐちゅりと皮脂が出てくる。それだけでなく血まで垂れてきた。ティッシュで抑えていても血は止まらず、顔面が青くなってくる。意識朦朧として最期を覚悟した瞬間、私は目を覚ました。寒い埃まみれの倉庫。辺りは人の死体で溢れかえっていた。


6. 私の作ったおにぎりを食べた者は必ず死ぬ。父親、母親、叔父さん、友人、旦那、息子。みんな死んでしまった。葬式はもう飽きた。私は毎日自分で握ったおにぎりを食べている。塩をつけてないのにいつもしょっぱい味がする。仏壇におにぎりを供えるとみんなの笑い声が聞こえてくるようだった。


7. 私には遠方に住んでいる彼女がいる。数ヶ月毎に会うが、その度可愛くなっている気がする。私に会うためにお洒落をしてくれていると思うと嬉しいのだが、最近は様子がおかしい。目の形、胸のサイズ、鼻の高さが変わっているのだ。私が整形してる?と尋ねると、整形はしてないよと彼女は答えた。


8. 今日からデパ地下で和菓子の販売を行う。開店と共にフロアは客でごった返したが、誰も私の店を見向きもしない。ポスターもあるのにどうしてだろうと悩んでいたところに一人の少年が「お姉さん、泥だんご上手だね」とショーケースの餡ころ餅を指差して言った。私は幼稚園の体操服を着ていた。


9. 線路の向こう側に行くのが夢でした。水色と紫色の混じった海がこちら側から見えています。彼らが踏切を塞いだので、我々の世代は向こう側を知りません。電車が通り過ぎる様子を見ながらも、海の手招きを感じます。今日もウミネコの声が響いて、海の残像を目の内で味わう夜を過ごすのです。


10. 私の母は左耳しかありません。ある日、母が突然起きて、ぐねぐねと上体を動かしました。窓の外を見ると母と同じ動きをした右耳がいます。まさかと思い私は母とその右耳を対面させました。母は大喜び。踊り明かし、左耳と右耳はひとつにくっ付いて蝶のように空を飛びました。そして母は姿を消しました。


11. リュックサックを背負う子供のズボンを掴んで、パンツ丸出しにされたくなかったら金をよこせと恐喝した。子供はブルブル震えて僕は飴しか持ってないと言う。私は容赦なくズボンをおろしパンツを露出させた。すると子供のリュックサックの中から声がした。「彼は昨日精通したばかり。お手柔らかに頼む」


12. ダッダッダッダ。目を覚ましたら機械音が聞こえた。俺の家はいつの間にか工業になっていたらしい。おはようさんと工業長のオッサンが俺に声をかける。俺は枕元にあったスパナを振り上げた。おっぱいのでかい女がゲラゲラ笑い、傘をさす。工業は雨が降るのだった。オッサンは入れ歯だった。


13. 電車に乗ると中吊り広告を見る。記憶が正しければ、今日は記録更新だ。なんと脱毛サロンおよび脱毛クリニックの広告が8つもぶら下がっている。その隣に増毛相談の広告が1つ。毛は空気を読まず、ほしい人のところへ届かない。私は脇毛が生えている。誰にもこの毛を渡さない。広告を睨んで揺られた。


14. 積もった雪に生首を置く
柔らかく沈んでいく顔を
見つめている


15. 彼の皺を舐めたい
何年も刻まれたその皺に
そおっと私の舌を
乾いた皮膚に唾液が染み入り
彼は私を知るだろう


16. 彼の皺を舐めたい
知らぬ間に生まれたそれを
歓迎するのは私だけ
ねっとりと味わって
私は彼を知るだろう


17. 透明ピンクは雪子のシャーペン
透明パープルはお兄ちゃんのゲーム機
透明ブルーは私のファンデーション
パパは3年前から透明人間


18. 彼女は教室を飛び出した。ペン書き終わらぬ夢を持って。彼女は教室を飛び出した。名前を未記入で提出した過去。彼女は教室を飛び出した。保存し忘れたレポートの続きを探して。彼女は教室を飛び出した。ほどけたスニーカーは彼氏の指先。彼女は間に合っただろうか。私は単位がほしいだけ。


19. コインランドリーの秘密知ってるかい?みんなの靴下の片足を食べて動いてるんだ。


20. かたつむり「めー」


21. 水滴が落ちる
反転した空
産毛の抵抗
忘れないで


22. メタファーを超えて
鍋を食べたなら
広がる世界は
幼児の国


23. 太陽の見えぬ
海は喜びて
貴方の心よ
永久に響け


24. きみ 還り給え
母の腹の中
水音清かに
眠れ 眠れ


25. 月さえも綺麗な日しか見ないじゃない
私のこともすぐ飽きるわよ


26. 最近寒波すごいじゃん?あれね、ペンギンが地球征服するためなんだよね。風や雲に魚渡して雪降らせてるの。賢い人間はもうペンギンの言語を勉強してる。君たちも早くやった方がいいよ。


27. 近くにいた女性が「feminist」と書かれたお弁当袋持ってたので思わず「お姉さんフェミニストなんすか!フェミニスト、初めて生で見ました!ツイッターでよく見てます!握手してください!」と声掛けたら手の甲にキッスされてウインクしてくれた。love...


28. 人型ロボットに同型のロボットのメンテナンス技術を教えてロボットが互いにメンテナンスをし合うことで半永久的に稼働することを可能にした未来、人間が滅んで、ロボットもだんだんと減っていき最後に残った2体が「もうメンテナンスをやめましょう」と言って相手の体を壊し合うSFください!!


29. 「引退した奴隷」ってテーマのBLが脳内妄想。主従関係をしてたゲイカップル、両刀遣いご主人様が世間体を気にし「家庭」を作り、奴隷と強制的に縁を切る。ご主人様は「理想的な生活」を送る。一方、奴隷はそれから誰にも抱かれず月日が経ち孤独死。部屋にはご主人様の捨てたライターだけが残っていた。


30. おみくじ大吉だったから試しに本屋でマンガを万引きしてみたら、バレて警察に怒られました。おみくじを過信するのはやめた方がいいです。


31. 子どもが中央線の停車駅を唱え続けている。サブカルの申し子かもしれない。


32. 私もオフパコしたことあるんだけど、相手が頭が8個もあったから大変だった。しょうがないからお酒飲ませて寝てる間にヤッたんだよね。若気の至り(笑)


33. えっ 雪、触れたら消えた。まぼろし?


34. 神社行ったら野良犬が輪になって人間リンチしてた。怖かったので一瞬で帰った。あいつら干支を勘違いしてる。


35. テレビジョンのジョンの行方を探しに行くので早退します。


36. 3週間放置された足の指と大袈裟な包装用紙


37. 抱き締めるように海へ潜る君を人魚だと思う。


38. 悲しみと悲しみが手を取り合う
このまま砂浜で横になりたい
混じる貝殻に指を切ってしまいたいのだ


39. ラブホテルに彼女と行った。服を脱いだら彼女は蒸発して消えた。受付のお姉さんの歯に付いてた海苔を思い出している。


40. いつかまた会えるよねと聞いたけど、おじさんは曖昧な笑顔で僕の頭を撫でた。もう何年も昔の話だ。おじさんは今日、古いマンションの一室で冷たくなっていた。


41. 雪が降ってる。雪が降ってる。ここには窓がない。


42. ペットショップで猫に似た獣が「猫」として売られているので店に注意をしたら、あれは猫ですと言われた。家族や友人にも見せたが、あれは猫だよと言われた。猫に似た獣と猫の違いが分からないくせに猫を飼育するとは呆れた。人間に似た私と私が入れ替わっていることに気付かないわけだよ。


43. 日傘の存在を知らなかった頃、大人が晴れの日に傘さしてるのを見て頭おかしい人だと思ったのを思い出した。


44. 机におっぱいを乗せて向かいに座るハムスターを挑発している。


45. 「仕事と私、どっちが大事?なんて愚問だわ!仕事が無くても食っていけるけど、私が居ないと生きていけないでしょ!!」


46. 体に虫くい穴を発見した。母親に報告すると長く使っているんだから捨てちゃいなさいと言われた。体のない生活は案外楽である。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-28

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著作権法内での利用のみを許可します。

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