そういえば初めての男は父親だった。主体性がない、そうよく言われる。自分の意思を伝えないで、人に流されてばかりだから、きっとエイズにかかったのだ。頼まれると嫌といえない。客の要求するプレイはどんどんエスカレートしていく。私は嫌と言えない。言いたいのかもわからない。私はすずめのように群衆に紛れて、生きている。
大学はほぼ休学状態。夕方から四時間のアルバイトだけをして日々を送る山岡。夢のような過去の出来事が思い返される試験管のような生活。世界の趨勢は彼の知るよしもなく推移している。そんなある日唯一の友人寒井からクイズ番組の出演を持ちかけられる。
自殺する若者を救う小説は何かと考えてきました。「神」「存在と無」「生と死」という根源的な問題を考えていた時期です。 この小説を書くことで私は少し救われました。
――感情を込めた言葉には力を宿し。その言霊は人を蠱惑し、その運命を左右する。 小説投稿サイトの片隅で、細々と投稿を続ける影仁は、ある日、ひとつの連載小説を書き始める。彼が投稿を始めた頃からの読者であるコトノハと画面越しの交流を楽しみながら、物語を書き進める影仁。 だが、彼がその作品の投稿を始めてから、奇妙な夢を見るようになって……
帝国の端、国境線に接した街、グロウ・ゴラッド。 帝国から存在しないものとして扱われた、逃げ場のない街。 そんな街で生まれ育ったビーツァとシエレイ。久しぶりに再会した二人は、街の外れにある一つの酒場で酒を酌み交わす。そこは、無愛想な看板娘の名前を冠した、「血まみれジーニャ」という物騒な名前の酒場で。 ――この酒場で起こる波乱とその結末に、彼らの生き様が刻まれる。 そんな物語も、旧友たちが当たり前のように店に入るところから始まって……
恵まれない青春を送ってきた女の子、珠城柚子。ちっぽけな彼女が、小さな失恋を胸に《女王》へと成り上がっていく物語。 そして成り上がった後の愚痴。
短歌です。Twitter @nanako_tanka にて随時更新。 性癖が終わっています。 同じく性癖がヤバい人向け。 どうぞ、お楽しみください。
ガリレオが世紀の大発見をした。地球が宇宙の中心にあり、その周りを太陽、月、星々が回っていると全人類は思い込んでいたのに、なんとあろうことか、それは永年の人間の錯覚で実はじっとしている巨大な太陽の周りを実はちっぽけな地球がこま鼠のごとくクル......感謝の念は持たねばならないがあくまで主従の関係ははっきりしている。太陽は地球の意志に従い従順に勤勉にいつまでも変わることなく地球の周りを廻りつづけるのだ。ことほど左様に天動説は実に甘美な安らぎをこの地上界に住まう人間に与えてくれるのである。