ワルプルガの二日目を迎え、昨日とは比較にならないハイレベルな激戦の数々に驚くロイドたち。そんな中で行われたある試合、人間嫌いで有名な魔法生物、ゼキュリーゼと騎士たちの勝負において思いもよらないことが起きて―― 一方、殺しの依頼を受けたバロキサはムリフェンとの再戦に臨むが、『ゴッドハンド』と呼ばれる彼女の本気を目の当たりにし――
上り線の電車を待つ間、ベンチに腰掛けて本でも読もうかと左手のベンチの方へ向かった。すでに先客がいた。季節感を完全に無視した薄着―黄色いネルシャツと薄いベージュ色の薄手のスラックスを穿き、髪の毛は女性のセミロングほど長く、何十日も髪を櫛で梳いてないことを窺わせる乱れよう、横顔からでもわかる長く黒い髭―の男性が一人、座ったまま待機している下り線の車両の一点を見つめ、身体を前後左右に揺すりながら歌のようなものを口ずさんでいた。わりと大きい声で聞き取れないわけではないのだけど、内容はまったく理解できない支離滅裂なものだった。なんともいえない気持ちになりつつ、読書は諦めてベンチの更に二十メートルほどの奥にある、世界の片隅に追いやられた喫煙所―ぽつんとホームの端に銀色の屋根がスノコ状になっている巨大な業務用灰皿だけが存在する場所―でタバコのようなものを一服やるため、その人の前を通りすぎようとした。
ゼキュリーゼの怒りを皮切りに勃発する魔法生物たちの暴走。それを止めるべく防衛戦を繰り広げるロイドたち。そこに黒い男、インヘラーが現れて壁の破壊の為に動き出し、エリルたちを襲う―― 一方、スタジアム内でフェンネルとガガスチムが押さえていたゼキュリーゼが突然外へと飛び出し――
今回は、村田真哉氏関連キャラでアフリカのサラリーマン第9話(http://afusara.com/story09.html)を再現してみました。 人選に苦労しましたが、面白そうなのでやっちゃいました。 あと、玄野二穂へのちょっとしたお仕置きと言う事で(私的には全然足りませんが!)……