東京――そこに生きる人々は、夢を追い、絶望に敗れ、毎日に追われていた。そんな時、奇怪な事件が次々と起こってゆく。怪しげな宗教組織の台頭。――人は弱いから、カミサマを、信じるものを求めていくんだ……。選ばれし四人の若者が事件を解決するべく、戦いに挑んだ。――証明してやる。この世に解けない謎なんてないってことを。果たして彼らは過去の因縁を断ち切り、つかめるのか、明日への答えを。そして、来たるべき未来を。――夜明けのこない夜なんてないんだ。
近未来。主人公の「僕」は、八年も学年をスキップしてアカデミーで研究に勤しむ、いわゆる天才児である。両親とも学者で、他惑星で研究しているので、ほぼひとりきりで生活している十二歳の「僕」は、いやでも大人にならなければならなかった。そんな完璧な「僕」にも、苦手なことがあった。それは、植物を育てることである。「僕」曰く、自分は、育てた植物を必ず枯らせてしまう、「『灰色の指(←僕命名)』を持っている人」なのだそうだ。そんな「僕」が、ある日、他惑星から植物の行商に来ていたおじさんから、不思議な美しい七色の球根を買ってしまう。最初は、花を枯らせてしまうんじゃないかと危惧する「僕」だが、「僕」の心配とは裏腹に、蕾は美しい花を咲かせ、大きな実をつけた。
藤原いろは。 書道家を志す彼女は、ある日、自分にはない才を持った書と出会う。 でも、その書の作者は正体不明。その日から、いろはは、その作者を思い続ける。
ラクシュミ―――そこは魔法の存在する異世界で俺(神谷 翔)が降り立った第二の故郷。 そこで俺は、美少女に……蔑まされ、蹴られ、罵倒され……今日もたくましく生きています。 今日もたくましく生きています? ………。………。……ドキドキワクワクの冒険活劇に目が話せない!! ………嘘。
この作品は、「○○キュアはいるんだ」「○○レンジャーはいるんだ」など、テレビアニメとか特撮とかの憧れのヒーロー・ヒロインたちの実在を信じている子どもにはお見せしないことをお薦めします。でも本当はあの中には…というカラクリを知っている子にはもしかすると楽しいかもしれません。『宗教上の理由』は一回お休み。読み切り小説でお楽しみください。
この作品は半分実話です。 私は今中1で、塾の先生に恋しています。 その人がサカナ先生です。ホントにサカナ先生と呼んでいます。 ですが、まだ喋ったこともないんです。 だから後半この物語は妄想ということでww では!
主人公琴美はクラスのいじめに気づくも何もできないままでいた。いじめられている本人と話すことで考え方が変わる、そんな短編小説です。
大石瑠璃子は電話相談センターでカウンセラーをしている。六月にリストカット常習者の若い女性から相談があった。自殺志願の相談は初めてであり、瑠璃子自身がパニックに陥りそうになった。その後何度もその女性から相談が寄せられた。それと相前後して、瑠璃子は退勤時にストーカーにつきまとわれるようになった。一方、不動産会社で営業課長をしている夫の竜介は今年の一月に人社した総務課の美香と不倫をしている。 八月下句に、中学校時代の教え子、沢木峻一が自宅に訪ねてきた。峻一は島影和彦のことを話題にした。瑠璃子にとっては思い出すのが辛い出来事である。九年前のこの日、和彦は首吊り自殺をじたのだ。九月初めに自殺志願の女性から睡眠薬を大量に飲んだという電話が入った。
自分が参加する予定だった集団自殺事件のニュースが報道され、そのなかで二十八歳の会社員が死んだことを知り、舜一は不審を抱いた。決行二日前に舜一が離脱した時点では、この会社員はメンバーでなかったのだ。彼は、早い段階で計画から外されたマヤの情報に基づき五十代のメンバー、ミツヨシ(大橋達司)に再会した。大橋は決行日の前夜に計画からおりたと打ち明けたが、舜一はその受け答えに疑念を感じた。 その後、舜一は所轄署の担当である榊原刑事と会い、榊原から情報を得て、二十八歳の会社員、鈴木茂樹の家を訪ねた。驚いたことに鈴木はミカが自殺防止活動の一環として主宰していたチャットルームのメンバーだった男であり、プロデューサーと名乗っていた。 舜一が調べていくなかで、鈴木の闇の姿、鈴木の死の真相が明らかになっていく。