落ちこぼれの話です。
第一章 青鬼青太と赤鬼赤夫
吉田が喫茶店のカウンター席で電子書籍専用機で本を読んでいると青年が話しかけてきた。
華族の嫡男、戸塚整に見初められ、引き取られた 十四歳の少女アキ。守り神の加護を受けているという戸塚の屋敷内で、ある日アキは不思議な少年と出会う。白い髪の少年は、何故か赤い布で目隠しをし ていた――。 少女と少年を巡る、明治時代をモチーフとした和風ファンタジー。
二十三夜の月待をしよう、と妻は言った。とある夫婦のお話。初出は部誌『Noise 39』(2012年2月発行)。
繰り返される日々の中で、一人の女子校生と出会う。しかし、偶然のように見えた出会いに、実は思惑があって……。
盗人少女は形ある物の声を聞く。(※不定期連載を予定)
木下は元気のない友人の蛭田を訪ねた。最近電話をしても、すぐに切るし、呼び出しても出て来ない。
部屋に現れる女の声が聞こえない。
コバコで酒に酔う女の一コマ。
あるカップルの、ある日のできごと。