カメムシ戦隊 コリアンダー

悪の帝国との出会い

チョウム ベッケッスムニダ(はじめまして)、諸君

俺様の名前はファビョレッド

悪いところなど1ミリどころか、1ミクロンもない完全・完璧なる正義の味方ニダ

なんか変なものも混ざってしまったらしいけど、なんとカメムシ草の精霊なのニダ

どっかで聞いたことある、とか、設定スゲー荒いな、とか細かいこと言うなナッシー

元々はカメムシ草だったが千年経っても、踏んづけられた恨み忘れず、こんな変な姿で蘇った二ダ

思い出すのも忌々しいが、今日は我々の宿敵、邪悪なるヒノマール帝国との出会いと、正義のスーパーヒーロー・コリアンダーとして生きる事になったあの事件をご紹介するニダ!


(ここはどこ?私はだ~れ?ニダ?)

グシャ

「イダダダダ、踏まれたニダ、踏まれたニダ~」

「なんや、このガキ
危ないやろが!
どっから入り込んだ?
いつからいたんじゃ?
踏んづけてもうたやないか!」

(何ニダ?
この角刈り唇オバケは?
こんなに肌黒いのにグラサンしてチョビヒゲて
今時どんなセンスしてるニダ
顔とグラサンが同化してるニダ)

「臭っ!
オマエ、どんな臭いしてんねん
カメムシみたいな臭いすんぞ!」

「まあまあ、ハマーくん、落ち着いて

君、今日はコスプレ大会でもあるのかい?
戦隊モノのヒーローのコスプレ?

ゴメン、ゴメン、お兄ちゃんが踏んづけちゃったね
大丈夫?

このお兄ちゃんはハマー君といってね、国会に乱入して議員殴っちゃうくらい短気だから言葉に気をつけて

それと危ないから仕事現場に入っちゃダメだよ

ほら、飴ちゃんあげるから
いい子だから出て行こうね」

「もうタケル社長は甘いんだから~
こんなクソガキ叩き出せばいいんですよ」

「そう悪く言うなよ
相手は子供なんだ
ちゃんと保護してあげないとね」

「今、ゴメンて言ったニダね?」

(謝った➡︎あいつが悪い➡︎そして俺様の方が強い・偉い・正しい!ニダ~!)

「謝罪するニダ!謝罪するニダ!
賠償するニダ!賠償するニダ~!」

「なんやねん、このクソガキは
社長、もうイてまいましょうよ」

「イチ、バ~ン」

(なんか、もう一人えらいゴっついの出てきたニダ~)

「コロ、ソ」

「おやおや、砲丸くんまで
ダメだろ
そんな物騒な事言っちゃ

君のアクスボンバーは本当に人を殺しちゃうから二度と使っちゃダメって言ったでしょ

前にもどこかのアゴ長い人、ベロ出して失神させて、殺しかけちゃったじゃないか
あの時はお亡くなりにならなくて運が良かったんだからね

メだよ、メっ

それに、相手は何も分かってない子供なんだから、ちゃんと優しく教えてあげないといけないよ

キミ、こっちのお兄ちゃんはちょっと障害があってね、うまく言葉を喋れないけど、れっきとした日本人だよ
よろしくね」

(あんなムキムキなのに?
あれ努力で何とかなるレベルの筋肉じゃねーニダよ
かんなりハゲてるニダ
バンダナ超~似合いそうニダ
男性ホルモンの塊ニダ
日本人?
てかおもきし目青いし)

し、しかし、俺様は怯まね~ニダ

「お、俺様はあいつに踏まれたニダ
あいつが悪いニダ
だから俺様は何やってもいいニダ

この竹林は俺のものニダ
お前ら入ってくんなニダ」

「何言うてんねん
オマエが勝手に仕事場入ってきて
勝手に踏まれて被害者ヅラしやがって」

「まあまあ、ハマーくん

でもだめだよ。君、仕事の邪魔をしちゃ

この土地は会社の所有で国際司法さんに貸す事になって整地作業に入ったところなんだけど

君、国際司法さんの知り合いかい?
ちょっと聞いてみようか?」

(マズいニダ!
第三者が絡むと面倒くせ~ニダ)

「ダメニダ!差別ニダ!差別ニダ~!」

「困ったなあ、仕方ない
あそこは後回しにして他を片付けよう
もう少しすれば、彼もきっと自分が悪い事を分かってくれるだろ」

「タケル社長~
あんなクソガキがそんな素直になるワケがないですよ
叩き出しちまいましょうよ

言うたらなんですけど、社長はキレたら鬼の様に怖いのに、立場が弱いモンに甘すぎますよ
ガキのうちから甘やかしたらロクな大人になれまへんで」

「まあまあ、こっちは大人なんだからさ
僕の顔に免じて

行こう、別の作業しようよ」

(ほっとかれた・・)

ファビョ~!!

説明しよう!
ファビョレッドはとっても淋しがりで、シカトされると、徹底的に嫌がらせをして、相手を振り向かせようとするのだ。

「ふざけんなニダ!
ふざけんなニダ!
ふざけんなニダ~‼︎
シカトするんじゃね~ニダ!」

「な、なんやねん、オマエは
オマエが入って来るなって言うたんやろが」

「入るなとは言ったがシカトしろとは言ってないニダ

決して竹林には入らず俺様に優しくするニダ!

一度優しく保護したのに突き放したお前が悪いニダ!

もっと俺様に優しくするニダ
もっと飴ちゃんもってくるニダ

ファビョ~!!」

「め、メンドくさっ
コイツ、ウザ過ぎるわ」

「コロ、ソ」

「せやな
砲丸ちゃん、やっぱ二人でお灸すえたろ」

「まあまあ、確かに面倒な子みたいだけどさ、俺も若い頃はヤンチャしてたからね
あんまり強く言いにくい部分もあるんだよ

彼もなんだか精神的に可哀想な感じだし、とにかく傾きかけてるウチの造園を何とか立て直す為に時間も無駄にできない

さ、頑張って働こうよ

ゴメンな、君、僕らもなかなか忙しいからまた今度ね
バイバイ」

「ま、待つニダ、オマエら
もっと俺様に優しくするニ…

ん?何ニダ?
車に描いてあるこのマークは?」

「ああ、ウチの会社は日向(ひなた)造園ていう名前だからね
会社のマークもお日様をイメージしてるんだよ」

ヒ、ヒノマル~!

説明しよう!
ファビョレッドは、太陽にアレルギー反応があり、太陽やそれをイメージしたものなどを見るとファビョってしまうのだ

ファビョ~!

「じゃあね、バイバイ
君も、もうちょっと大人になりなよ~」


「ま、待つニ・ダ…」

バタン ぶくぶく…





ハッ、ヒノマルのせいで気絶しちまったニダ

クッソ~!
アイツら俺様に冷たくしやがって!
許せね~ニダ!
しかもヒノマ~ルマークを使ってるなんて、やっぱりアイツらは邪悪の帝国ニダ

それにしても、こんなに性格よくて、カッコよくて、パーペキな俺様が何故シカトされるニダ?

あいつらにあって俺様にないものがあるニダ?

ぬ~~~~~

そうか!
仲間ニダ!
仲間が足りなかったニダ!

とにかく、仲間を増やすニダ!
仲間を増やして、あいつら悪のヒノマ~ル帝国に対抗できる正義の戦隊を作るニダ!

やっぱりカッコいい名前がいいニダ
ん~む…
うん、カメムシ草の精霊なんだから

やっぱコレだね~ ロッチのト○ポ
じゃなくて、

カメムシ戦隊!
コリアンダー‼︎ ニダ

な、なんてカッコいい名前ニダ~

俺様はやはり、リーダー役のレッドニダ!

ファビョレッドで決まりニダ~!

カメムシ戦隊 コリアンダー

カメムシ戦隊 コリアンダー

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-04-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted