まだ夜が明けぬ時間から、 京都市内は正月以来の大雪が降っていました。 朝の五時に、私はホテル内のカーテンを開けて、 いつものようにロビーにあるお客様用のテレビのスイッチを入れました。 それはNHKの五時のニュースが始まって間もなしでした。 突然、画面の上にニュース速報のテロップが流れたのです。
イスラム教の『過激派組織』が、非人間的なテロや殺戮を繰り返しています。 今日もそのニュースが後をたちません。 これらの行為は、『悪魔の教育』の成せる悲劇であります。
朝目覚めるなり、中山はため息をついた。なんとか今日一日がんばれば明日は週に一度のお楽しみである、そう自分に言い聞かせ、のそのそとベッドから起き出した…
林道は相変わらず両脇に草が生い茂っている。 車高の低いセダンだと視界を狭められているようで、走るのが怖かった。 しかし今回の車は車高も、もちろん視線も高く、まだ薄暗い今時間でも景色を広く見渡せて怖さは無い。 怖さは無いのだが……私は今、何かを思い出しかけている。
田舎での法事の帰り、田岡が夕暮れの迫る山道を運転していると、今時珍しいことにヒッチハイカーに出会った。どうしようか迷ったが、特に急ぐ用事もないし、交通量も少ないので乗せることにした。 近づいてみると三十代ぐらいのやせた男で、顔が青白く…
短編の思うままに書いたものです。 明日、世界が終わるとしたら何をしますか? この、質問に答えはありません。 自分が今まで生きてきた事、それは全て必然的なものではないと思います。 いろいろな偶然から生まれた私たち。 歩んできた道のりを振り返ってもらえたら幸いです。