僕は
僕は知らない
言葉には効力はない
記憶を辿れば無意味だと
あなたはわかっている
僕は知らない
目の奥の音を
嘆きを孕んだあなたの訴えは
暗室のように何も見えない
僕は知らない
知らない
為す術がないとでも言おうか
あるいはできない
安易なことだと言う人間は
安易にそれをこなしてきたから
僕はあなたと同じ能力は持たない
持っていたらピアノだって弾けてしまう
機械であれば可能だろう
みな等しく造られている
僕はあなたではない
僕は誰でもない
孤独と吐き気を含んで
内部が形成される
満たされない条件
排除される虚無感
殴り書きした希死念慮
内部でハウリングする
ラムネが弾ける
残されたのは存在の否定
僕は微睡んでいて
あなたは吐いているかもしれない
生命の在り方は無限
黒く乾ききっているかもしれない
僕は