後藤夫妻が寝室を別にしたのは、夫婦仲が悪くなったからではない。一番の理由は、夫である信一郎のイビキである。妻の博子も長年我慢してきたのだが、ベッドを買い替えるため、部屋の模様替えを二人で相談するうちに、自然にそういう流れになった。 夫妻が...
Livedoorブログ主催「ライトなラノベコンテスト」参加作品「元キャナリーゼゆり子の豊洲にいた時日記」の中に書いたショートストーリーです。参加作品自体は、一心不乱という言葉通り、あれもこれも赤裸々に書いたものですが、そんな中でふとある方との会話の中で閃いたテーマをこれまた一心不乱に書きました。舞台は100年後の豊洲、少子化の煽りで介護者の手が足りないお年寄りばかりの街は、介護や家事代行をするヒューマノイドロボットで溢れていました。そんな街の大きな総合病院に入院している、ひとりの老人とロボットの物語です。
その男が村に来た日は、ちょうど収穫の祭りの日だった。村の中央にある広場には、たくさんの人が集まっていた。広場のそこかしこで、芸人たちが歌ったり踊ったり大道芸をしたり、持ち芸を披露している。人気のある芸人のところには、すでに人だかりが…
「課長、秘密が守れますか?」 個人的に相談があると言ってきた新入社員の野田にそう聞かれ、人事課長の奥山は心中やれやれと思った。だが、これくらいの無礼に一々腹を立てていては、人事課長など務まらない。「心配しなくていいよ。わたしには守秘義務…