電子レンジ

あなたに見つめられて、指一本で回されながら、
あなたの電子の視線を浴びて、細胞レベルで震わされるの。
スポットライトを浴びながら、ターンテーブルの真ん中で、
私は一人、心の底から熱くなる。
あなたの決めた時間制限。
私はその中、あなたに認めて貰える様に、必死にアピール繰り返す。

あなたは小さな覗き窓から、私に視線を投げかける。
輝く瞳の時もあれば、冷たい視線の時もある。
懐疑的な視線もあれば、優しい瞳の時もある。
小さい窓から覗くあなたに、私は必死にアピール続ける。
口惜しいけれど、愛しくて、表示がゼロ近づくほどに、
私の心の水分は抜け、ぽっかり大きく穴が開く。

あなたと出会って見つめられ、たった数分数秒で、私は大きく変化する。
温まった私の体で、あなたの指先温めさせて。
暖まった私の心で、あなたの吐く息、見えなくさせて。
細胞が熱くなって止まらない、この気持ちすべて伝えるために。
箱から出ても冷まさない。
恋から愛へと変わるまで、私は諦めたくないの。
心の底から暖められた、あなたへのこの思い、決して冷ましてしまわない。
あなたにやさしく包まれる、その瞬間まで私は必死に堪え続けるの。
あなたの温もりに包まれた時、微熱の愛へと続いてく。
今度は二人でライトを浴びて、祝福の視線浴びたいの。

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  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-06

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