『 変わり者と、女の子 』
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「や、こんにちは」
薄桜色のコウノトリが玄関に立っていた。
……断じて知り合いではない。
「素敵な素敵な伝言があるんだ。届けに来たのだ。さ、喜ぶ準備を宴の準備を急ぎたまえ」
私の事なんか置いてけぼり。
薄桜色のコウノトリは、一人で浮かれて一人で騒いで。
「実は実はね、実は……三年後、この家に赤ちゃんが産まれるんだよ!素晴らしいだろ?嬉しいだろう?まだ先の話だけどさ。名前はエンディ。青い髪が可愛いお転婆な女の子で」
ああ、やっぱり。
この鳥さん、きっとパパの友達の知り合いだと思う。
喋る伝書鳥、綺麗な羽色、遅すぎる伝言。
「それ、たぶん私」
コウノトリの銀の足輪には『エドゥロイ』の文字。
この世界では『変わり者』という意味だ。
「……あれま」
確かにお転婆そうだ、なんてエドゥロイは笑った。
大きなお世話です、って私も笑った。
『 変わり者と、女の子 』