置いてけぼり。

(食べかけのマドレーヌが、道端に落ちている。)

返信の無いメールとSNSに並ぶ数枚の写真。

私の存在は、何処かに追いやられ視界にも入らなくなった。

「元々、何処にも居なかった。」と今改めて思う。

(大事にしていたはずの本が、何処かへ行ってしまった。)

「名前を呼ばれない。」という現実を見せ付けているかの様に・・・・。

その事に気が付いたとき
私は黙って
パソコンの電源を落とす。

置いてけぼり。

置いてけぼり。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-04

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