Parisから送った二人分のメールはJAL便名。 且つての連絡先を眺め・・其れしか無かった。 どうせ、誰も来る訳は無い。 羽田空港にJAL便が到着した。 羽田の美しい夜景を眺めながらゲートを出る。 着物姿の女性が立っていた。
且つての傷を忘れる事が出来るか? 年の離れた二人の物語は・・聊かも人類臭さが感じられない・・。 湾岸高速を走るタクシーの先にはランドマークにベイブリッジ・マリンタワーの美しい青い光が。 何も無くても・・其れで良し。 更に何か感じられたのであれば・・其れは・・きっと、素晴らしいもの・・去っていくタクシーの尾灯と・・二人の見た港横浜の風情が・・。「きっとよ・・きっと・・」
いよいよ、女性が社を辞め其の関係者数人での送別会に主人公も顔を出す事になった。 だが、三人の男性の内自分以外の二人のうち、一人があの噂の女性の上司だ。あまり気が進まなさそうで・・やはり彼女の事が気にかかる。 送別会当日の夜の事。小田急特急ロマンスカーは男三人とも終電車に乗りたくないから購入していたものだった。銀座での送別会が終わり新宿まで戻って来た男性三人に女性一人。小田急御改札口で女性と別れた三人だったが・・三人で共にロマンスカーに乗ろうとしたのだが主人公が切符が見当たらないと言い出した。発車のアナウンスが聞こえ、二人はやむなく先に乗る。ロマンスカーが出て行くのを横目で確認しながら、主人公が走った先は・・女性の乗る中央線のホームだった・・。
この作品には最初、(母性が殺意に変わるとき)という副題が付いていました。 でも、書いたおれの意図以上に衝撃的かな?と思い、表題だけにしました。 副題の通りの内容です。 思い切り母性に寄り添ってみました。