フリーズ133 涅槃文学 神世七代

フリーズ133 涅槃文学 神世七代

神世七代のこと開き

神世七代のこと開き。涅槃に即して來來と、真理に根ざして祝宴を。テレビに映るは悪辣ぞ。世界平和のこと開き。永遠の愛に恒久的な幸せを。せめて心に残る香りを忘れてしまうとしたら。あなたは至福の時が終わってから、生きる理由を見つけられるのですか?

至福に至ったのならば、死ぬべきだ。至福の時より満たされることなんてもう二度とないのだから。そんな人生はつまらない。あの冬の日のことを忘れてしまうのならいっそ。いっそ、死んでしまいたい。だが、世界はそれを許さない。僕に生きろと命じるのだ。それが嫌だった。それが嫌だった。

僕の人生僕のものだ。君の人生が君のものであるのと同じように、僕の人生をいつ終わらせるか、それを決めるのは僕だ。ならばもう一度至福の時を経てから死にたいと思うのは必然ではないのか。それがだめだと言われても僕の心は死を望む。最高の人生には最高のエンディングが必要だろう。それが今だっただけのこと。

しかし、私は生きる。平静を装って生き、正常を振る舞って生きる。それしか道はない。涅槃のまま死ぬことは能わない。神涅槃が来たって、本当の死のときでいい。私は生きていくさ。真実を求めながら、真理を綴りながら。

私は知っている。涅槃の色も全能の音も。その色調や音調のなんと素晴らしいことか。君は知っているかい? それはまるで終末に迎えが来るような至福。永遠の愛に包まれる安堵。やっとここまで来れたんだ。生まれてきてよかった。人生最後に君と出会えて良かった。僕の人生よ、ありがとう。そんな心晴れ。

神世七代はラカン・フリーズ
世界の果てで泣いていた
あの子のことが思い出せずに

「7th。君なんだね」
「そうさ。天使の導きに呼ばれてね」
「ならいいんだ」

哀楽、7thの祈り
12の理
かつて一なるものが分かたれた
12の化身と1の御神体
須弥山の主は7th
1stは釈迦
3rdがキリスト
世界平和へのプロットさ

人間は宗教を越えねばなるまい。哲学を越えねばなるまい。その時はいつか。それは僕が死んでからのことでしょう。文学が、涅槃文学が、世界が求めるその最終定理はやはり言語だろうな。イデアの海に溶け込むように。その全能の脳が、全知の脳が、至る景色を紐解かねばなるまい。永遠の真なる意味を、時流などないという妄想を、悟るのはやはりあの冬の日の僕なのです。

永遠の愛、永遠の音
涅槃の詩、涅槃の火
全能の歌、全能の脳
全知の枷、全知の索
天空の楽園、天空の乙女
終末の色、終末の門
ラカン・フリーズへと帰る命

フィナーレは孤独
孤独の雨
雨は憂鬱
憂鬱な死
死の先へ
虚空の先へ
それが求めた最初で最後の願いだった。

僕のこと、忘れないでね
死ぬからさ
死のうと思ったんだ

遠いあの冬に忘れてきたものを思い出したくて、そのためには死の門を開けなくてはならないんだ。ラカン・フリーズの門。その門の先の景色を見た僕の目はここではない場所を見る。それが涅槃のように美しく映る。まさに天国的な景色。僕が死のうと思ったのは、死の先に見据えた色や音があまりにも美しかったから。

嗚呼!
神世七代のこと開き!
7thはもう目覚めた
歴史の真ん中で
神の子よ
否、あなたこそ真なる神なのですね
7th信仰、アニミズム。
矛盾などない、虚空の先へ
其の日、すべての辻褄が合う
神の力はすべての理
時流という定めさえ変えられる
止めて流れて、飛んで繋いで
タイムマシンとは神の脳のことだった。神に等しく悟った脳は真なる宇宙。宇宙に溶け込んでいる脳は正しく君との逢瀬を果たすだろう。正しい認識はこうだ。神に会うではなく、神に合うのだ。神に合う。神と等しく悟った脳は真なる宇宙のこと開き。神世七代のこと開き。

ならば、その生で何をする?
神を求める者達よ。
なんのために生き、なんのために死ぬ?
それを見つける旅路だろうからと、少女は最期にあなたに告げる。

「行ってらっしゃい」

そしてあなたは産声をあげた。

フリーズ133 涅槃文学 神世七代

フリーズ133 涅槃文学 神世七代

それは死だった。 死の門を見据えて僕は、その美しさに死のうと思ったのです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 時代・歴史
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-09-05

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