ザ・インタビュー 「太平洋、血に染めて」
作者・野良猫が「太平洋、血に染めて」をふり返ります!
*オープニング
https://www.youtube.com/watch?v=2bXiYrPXTqw
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35791848(予備)
Q1:この作品のテーマとは?
この作品のテーマ……。なんでしょうね(笑)。この「太平洋、血に染めて」という作品は、プロットが存在しないんです。本当は、パイロット版で終わるつもりだったんですよ。
なに? ああ、テーマね。作品のテーマは、まあ、読者が感じたものが正解ということでいいです(汗)。よくわかりません!
Q2:この作品で伝えたかったものとは?
特にないです(笑)。
この作品はコメディなので、面白ければそれでいいや、って感じで書きました。先に述べたように、この作品にはプロットが存在しないんですよ。一話一話が即興で書いた物なんです。ストーリーは、キャラ同士に会話をさせながら、ほとんどキャラに作ってもらいました。作者はなにもしてません(笑)。唯一、第五話の最終回スペシャルは、作者も少し手伝ったかな。ヨシオとブラックジョークの会話は、半分は野良猫の思ったことを書かせてもらいました。
最後に彼らは救助されるわけですが、はたして大陸はどんな状態になっているのか。読者諸君には、ぜひ、最悪の状況を想像していただきたい(笑)。
Q3:キャラクターについて教えてください
この作品には、どこかで聞いたことがあるようなキャラが登場します。たとえば、ハリーというキャラは映画「ダーティ・ハリー」のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)、ガーランド・ブラウンは「コン・エアー」のガーランド・グリーン(スティーヴ・ブシェミ)、ジュリアスはアーノルド・シュワルツェネッガー(どちらかというと「ターミネーター」ではなく「キンダガートン・コップ」や「ツインズ」などのおとなしいキャラをイメージしている)、そして、羽佐間九郎は手塚治虫先生の「ブラックジャック」に登場する天才外科医・間黒男がモデルになってます。と言うより、ほぼ全員そのままの状態で登場します(笑)。
長老は、特にモデルはいませんね。完全にオリジナルのキャラです。ただ、外見は北斗の拳の長老(リンの村の)や亀仙人をイメージしながら書いてましたね(笑)。
ヨシオもオリジナルですね。ところでヨシオのメガネなんですが、あれはべつにメガネじゃなくてもいいですよ。カタパルトオフィサーのゴーグルという解釈で読んでもらっても全然かまいません。ヨシオは決して感情を表面にださないし、自分の考えを口にだして伝えたり、そういったことはほとんどしませんからね。なので、メガネを強く輝かせたり、冷たい光を帯びさせたり、そういうことで彼の心境とかを表現しようと思ったんです(つまりメガネはただの小道具)。だから、カタパルトオフィサーの格好(ゴーグルをつけた)をそのままイメージして読んでもらっても全然オーケイです(笑)。
ただ、このヨシオというキャラには謎が多く、作者である野良猫にもよくわからないんです。彼は最終回で過去に友人(おそらく恋人)を安楽死させていたことを九郎に告白します。どういう心境の変化があったのかは知りませんが(おそらくエピソード「トリトン」のできごとが影響している)、あのヨシオの行動にはふたつの意味があったと野良猫は考えています。ひとつは、自分がやったこと(友人を安楽死させたこと)は正しかったのか、あるいはまちがっていたのか。もうひとつは、安楽死について九郎はどう考えているのか(本音を聞きたかった)など、そういう目的があったのではないか、と思うのです。
もちろん、ヨシオはすきで安楽死をさせたわけではないのです。脳死状態になった友人を哀れに思っての行為であって、憎しみからくるものではなかったのです。ヨシオというキャラは、一言で言うならば「普通の人間」なんですよね。善と悪の心を持つ、普通の人間なんです。決して正義の味方ではないんです。悪の心がまったくない人間などいませんね(なかったら人間じゃないです)。ヨシオは作者であり、そして読者のみなさんとおなじ「ふつうの人間」なのです。
最後に、大五郎というキャラについて。
すでに気づいてる方もいると思うのだが、大五郎の「年齢」について、作中では一切触れられていないんですよね。なんか、年齢を設定してしまうと「この齢でこんなセリフを言うのか?」とか、変な先入観が生まれてしまいそうだったんで、あえて曖昧にしておきました。大五郎のセリフがほとんどひらがな(一部カタカナ)なのも、大五郎の幼さを表現してるんです。
個人的に大五郎のセリフでいちばん印象にのこったのが、第三話で大統領がサメに食われた直後に言った「おいらも、ひるごはんをくおう!!」かな。大五郎の純粋さがよくわかるシーンです。サメは、自分が生きるために「エサ」を食べたのであって、悪意を持って人間を殺したわけじゃないんですよね。人間が魚や豚、牛、鳥を食べるのと同じなんです。つまり、大統領が食べられたのではなく「サメがエサを食べた」というように大五郎は解釈したんだと思います。
それにしても、大五郎の行動やセリフには、度々おどろかせられましたね。NGだそうかなぁ、って思ったことが何度もありました(汗)。この作品はプロットもなければ、あらかじめ用意したセリフもほとんどないんです。なので、キャラが次にどんなセリフを言うのか、それは野良猫にもわからないんです。ほとんど成り行きに任せてるので。ただ、「落ち」はある程度考えてから書くようにはしています。その「落ち」にどう持っていくのかは、すべてキャラに任せてあるのです。
……と、いうわけさ。
Q4:主題歌(オープニングテーマ)には、どんな意味があるのですか?
まあ、ここ(星空文庫)でいろいろ小説を書かせていただいてるわけなんですが、野良猫は小説よりも映画のほうがすきなんですよね(笑)。なので、どちらかというと映像作品を作ってる感覚で書いてるんですよね。だから、野良猫の作品には主題歌やBGMがあるんです。もちろん、ただ闇雲に選んでいるわけじゃないですよ。できるだけ歌詞の内容が作品のイメージに近いものを選んでるんです。しかも、歌い手さんの歌声はもとより音楽にもこだわってるので、いくら歌詞が良くても音楽がダメならボツになっちゃうんです(けっこう選考基準がきびしいんです)。
順番としては、作品が出来上がってから主題歌を選ぶ作業に入る感じですかね。主題歌を先に選ぶことはほとんどないです(まったくといっていいほど)。映画やドラマでも、主題歌は作品のタイトルとおなじぐらい重要なものです。それに、BGMも大事ですね。ドキドキしたり、哀しくなったり、楽しい気分になったり、そういうものをBGMで表現しているんですよね(主人公の心情とか)。とうぜん、小説ではそういうことはできません。小説は文章だけで、すべてを表現しなくちゃなりませんから。でも、ネット小説ならユーチューブのURLをうまく使うことにより、映画やドラマのような雰囲気を再現できるはずなんです。野良猫がやろうとしているのは、まさにそれなんです。映画やドラマとおなじことを、文字で表現された作品でやってみようという実験なのであります!!
しかし、野良猫は歌や音楽にはそれほど詳しくないんです。なので、この「太平洋、血に染めて」で使用した主題歌は、主にアニメの主題歌から選びました(じつはアニメも詳しくないんだが)。まあ、この作品自体がマンガみたいなものだからね。べつにアニソンでも違和感なかったですよね(笑)。
ちなみに、自分でユーチューブにアップした動画はひとつもありません。野良猫はコンピューター関係は弱いので、PCの使い方がよくわからないんです。本当は自分でアップした動画を使えばイメージ通りの主題歌になるんですが、ユーチューブのアカウントは持ってないし、著作権のこともイマイチよくわからないし、ちょっと自分ではできないですね(汗)。まあ、そういうことで、主題歌(動画)のほうは勝手に使わせていただきます(笑)。
と、いうわけです。これもネット小説ならではの楽しみ方だとは思うんですが(個人的に)、みなさんは楽しんでいただけたでしょうか?!
Q5:いちばん気に入ってるキャラは誰ですか?
ムツゴローかな(?!)。あんまり出番はなかったけど、かなりインパクトのあるキャラでしたよね。でも、主役が食われそうなので早めに退場してもらいました(笑)。
つぎに気に入っていたのが、やっぱり長老かな。彼は熱狂的なUMA(未確認生物)マニアなんですよね。クジラをシーサーペントと間違えたり、サメをリヴァイアサンと呼んだり。いい年して何言ってんだこのジジィ、って感じですね(笑)。
エピソード「蒼穹の騎士」で、このじいさんは罪もない若者を、不本意ながら海に叩き落してしまいます(本人に自分が落としたという自覚があるのかどうかは知らないけど)。とにかく、ひとたびUMAに夢中になると、周りが見えなくなるんだね、このじいさんは。いい年をして、伝説上の架空の生き物を信じているのです。そういう意味では、大五郎とおなじく純粋な心のもち主なのかもしれませんね(あるいはただのバカ)。
とにかく傑作なジジィでした(笑)。
Q6:空母や戦闘機については詳しいのですか?
ぜんぜん詳しくないですね。じつは、まったく知識がない状態から書きはじめたんです。なので、はじめは設定に矛盾があったんです。たとえば、「空母のエンジンは壊れて動かない」とか。でも、すぐに「これはちがうかな」と思ったんです。原子力空母だから、エンジンじゃなくて原子炉なのかな、って。だから、この部分はすぐに修正しましたね(笑)。それに、もし原子炉が壊れたとなったら、おそらく空母は大爆発するんじゃないかと思います(以下、ウィキペディアより)。
―― 原子力空母に搭載されている原子炉も基本的な設計は、商用発電所の加圧水型原子炉とそうは違わない。核燃料の濃縮度が高い(後述)以外では、発電施設建屋がない分、小型の原子炉格納容器が高い強度の隔壁で密閉してある。また、燃料棒は酸化ウランのペレットにジルコニウム合金製の燃料被覆管により被覆されているのではなく、ウランと混合した金属ウラン・ジルコニウム合金の燃料棒が使われている。
当然、核燃料の交換設備が空母には備わっていないので、アメリカ海軍原子力空母の核燃料の交換時期になるとバージニア州ニューポートニューズ市のドックに長期間収容されて、船体を切り開いて複雑な交換作業が行われる。
アメリカ海軍で現在建造されている原子力空母は、従来は5年-20年間に1度程度は必要だった核燃料交換のサイクルを、原子炉技術の向上で40-50年程度かまたはそれ以上のものとし、実質は新世代の原子力空母が就役後は一度も核燃料の交換を必要としなくなる予定であるといわれている。核燃料交換のためには1.5年から3年以上もの間海へ出られなかったこれまでの原子力空母からすると、これは大きな進歩である。
原子力空母の搭載する原子炉数はすべて2基以上である――
……だってさ。
野良猫には、残念ながら何のことなのかさっぱりわからなかったな。原子炉とはべつにエンジンがあるのかもわからない。なので「操舵室が壊れた」、「舵が壊れた」など、適当に言い訳してごまかしました!
ちなみに、いちばん上の画像(緑色の作業服の二人)の人が掲げている黒いボードは、いったい何なのかおわかりだろうか? 画像のものは加工してあるのだが(ザ・インタビューと書かれてるやつ)、あれは機体の重量を表示するためのもので、それをパイロットや統合カタパルト管制室に示して確認するんだそうです。そして、統合カタパルト管制室のほうで機体の重量に合わせて圧力(カタパルトの)を調節する、ということらしいです。着艦時にも、パイロットは機種名、燃料の残量、武器弾薬がどれぐらい残ってるかを無線で申告するんだってさ。着艦ワイヤー(アレスティングワイヤー)の張り具合を調節するために。
それから、ヨシオがカタパルトを射出する際のポーズですが、これもユーチューブの映像をじっくりと観察して勉強しました。各エピソードの映像特典として使われているものの一部は、そのとき参考にしたものなんす。まあ、もともとくだらない話(コメディ)なんでね。わざわざミリタリー系の専門書を買ってまで勉強しようとは思いませんでしたね(笑)。
戦闘機については、ほんの少しなら知ってますね。F14とかF/A18とか。ただ、エンジンの性能がどうのとか、そういう細かいことまでは、ちょっとわかりませんね。
ここだけの話、野良猫はね、むかし戦闘機のパイロットにあこがれた時期があったんですよ。じつは。でもね、野良猫は学校の成績があまりよくなくってね、英語もさっぱりわからないんだよ。野良猫のあたまは、英語が認識できないんだよ。そういう仕様なんですよ、脳ミソが(笑)。なので、戦闘機のパイロットはあきらめました!
Q7:続編を書く予定は?
ないニャン!
Q8:最後に一言
まあ、よくわからないけど楽しかったですね。ほかの作品のキャラを登場させたり、主題歌を無断で使用したり。けっこう著作権違反ギリギリのところだったかな、と思います。たぶん(笑)。
と、いうことで、「太平洋、血に染めて」は無事、完結したわけなんですが、いかがだったでしょうか?
なかなか面白いものを書く(作る)というのは難しいですね(野良猫がヘタなだけか)。まあ、あくまで趣味なんでね。テキトーにやらせてもらいました(笑)。
最後に、「太平洋、血に染めて」を読んでくださった読者の皆様に、一言お礼を述べさせてもらいます。長い間応援していただき、本当にありがとうございました!!
―― お疲れさまでした ――
ザ・インタビュー 「太平洋、血に染めて」
*エンディング
https://www.youtube.com/watch?v=cGUtMAEfgQI
https://www.youtube.com/watch?v=GAQYOrswpSM(予備)
*おまけ
https://www.youtube.com/watch?v=Z8WMo3vLEwA
ザ・インタビュー 「太平洋、血に染めて」
野良猫
©NORANEKO 2017
2017年2月8日 第一刷発行
発行者――野良猫
発行所――株式会社 ガット・エランテ
野良県クジラ市マグロ町一丁目2番22号 〒222-2222
電話 出版部 5656-22-××××(ゴロゴロ・ニャーニャー)
販売部 5625-22-××××(ゴロニャーゴ・ニャーニャー)
業務部 2020-22-××××(ニャオニャオ・ニャーニャー)
デザイン――ストレイ・キャット
本文データ制作――ガット・エランテ プリプレス制作部
印刷――珍獣印刷株式会社
製本――珍獣印刷株式会社
printed in japan