「おはよう」「あ、おはようございます」挨拶を返しながら、須田さんはまた九時ギリギリのご出勤か、と今井は思った。(なのに、定刻の五時になったらサッサと帰っちゃうんだ。遅れず休まず働かず、のお手本みたいな人だな)「さ、て、と」 須田はそう独り言を......
おはようございます。今日はわりと気分がいいです。ああ、すみませんが、カーテンを少し開けてもらえませんか。ちょっと、外が見たいので。そう、そのぐらいで結構です。はい、食欲はあります。もう、おかゆじゃなくても大丈夫だと思いますよ。あ、いえ、......
あるひとつの巨大IT企業の創業者が、こんな人物だったら。もうひとつの巨大IT企業のはじまりが、こんなストーリーだったら。そのふたつが合併したいきさつが、こんな理由だったら。もしそうだったら、とてもおもしろいのに。そう思って書いた物語です。べたべた甘いラブストーリーになっています。以前持っていたアカウントで投稿した小説を、再度投稿しました。「小説家になろう」「エブリスタ」にも投稿しています。
仕事を終えてバスに乗り、吊革に体重を預けながら、和代はぼんやり外を眺めていた。頭の中では、昔、父が酔っぱらうとよく歌っていた『今日の~、仕事はつらかった~』というフレーズがエンドレスで流れている。トートバッグからスマホを出して何という曲名か......
小学校を卒業し、中学入学までの春休みを満喫する楠あやめと油菜むぎ 暇な時間でいろんなことをする2人を追っていく! 中学生になってからは1人友達が増えさらにいろんなイベントが目白押し! 3人のほのぼのライフをあやめの姉妹やその友達と共に描く日常系物語! *この物語は現在執筆中の漫画版おっとり家の時間を少しさかのぼった小説になります。
わしは消火器だ。当然だが、名前なんかない。ごくごく普通のABC火災対応の粉末式消火器だ。ちなみに、Aは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災である。わしが置かれているのは、とあるホテルの廊下だ。通行の妨げにならぬよう、壁の凹んだところに納め......
そこは小さな町工場だった。工場長兼社長の本多以外、従業員はアルバイト1名のみ。今日はそのアルバイトの川崎も休みなので、本多一人しかいない。ちょうど発注の切れ目で、午前中でほぼ作業が終わってしまった。「さてと。今日はもう閉めちまうか」本多は......