お金の話は嫌い。
お金の話は大嫌い。
この世のルールが一つ分かった。
ああ、要するに金の匂いがしちゃ駄目なんだな。
私は利用中のSNSで、独自のルールを発見し、深く賛同した。
確かに、金の話ならよそでやってくれと言えなくもない。
朝から椎名林檎のありあまる富を聞きたくてしょうがなかった。
父の仕事が、如何にもプロジェクトという感じで、下町ロケットみたいでつい熱くなってしまい、たくさんネットで語ってしまった。
父に「お爺さんになってもいいから、拘って仕事しなよ」と言葉をかけ、そして来る氷河期に向けて私は家族に投資すると決めたわけで。
こんな人生だ。賭け事くらいあってもいいだろう。
一世一代の博打だ。それも形になって返ってくる、勝ち博打だ。
必ず100万貯めて、父に手渡す。
そう決めて、私はネットを昨日閉じた。
そんなことより、朝の家族の時間を、父と母と過ごす時間を、祖母の説教の大切さを。
メダカとベタに餌をあげたら、ベタが贅沢しだして餌をぺっぺと吐き出す。
よっしゃ、飯抜きの刑じゃー。
私は昼ご飯をあげないことにした。
贅沢を覚えたら、どこまでもつけあがる。そういうもんだ。
お金を掛けなくても、楽しみはたくさん見つけられる。
金は最終手段。病気とかそういうときに使うもの。
だから普段からは必要ないのだ。
そんなことより、新しい本の続きを早く読もう。
そしてありあまる富を聴こう。
新しい映画なんていいじゃない。それよりサブマリンの続きを早く観たいな。
途中で止まってるけど、オリバーの憂鬱すぎるギャグは大変暗くて面白い。
廊下から不倫中の母を睨みつけるオリバー少年。
くっらー。
「父さん家が火事になったら僕と母さんどっちを先に助ける?」
君はそればっかか。
しかしそこにすべてが込められている。
彼は希望を探してもがいてる。
絶望の中で、オリバー少年のコメディが光る。
金なんか無くてもいい。
家族が一緒にいられたらそれでいい。
父が万年もがいても、時期がくれば仕事は動くし、それには彼の寿命が必要だが、どうしたって動くものは動く。土地開発は進んでいく。
例え彼がいてもいなくても。
父が願うのはお金じゃない。一族の繁栄でもない。ただ後世に引き継げる仕事をすることだ。
彼はこの仕事さえひと段落したら、仕事を若い叔父に引き継ぐつもりだ。
うちの稼ぎは二の次。私達は生きていく術を見つけている。
新しい命を迎えた人たちに、引き継いでいく人間の可笑しさ、愛おしさを優先したいのだ。
父が言っていた。
「真田幸村が、甥っ子が攻めてきたとき、崖の上からほれもう少し、頑張れ頑張れと声を掛けていたんだな、あれは命よりも甥っ子の可愛さを、大事さを取ったんだな」と言った。
父は真田幸村のファンだ。今の大河ドラマも追いかけているし、信長の野望でも真田幸村でプレイしている。
私は父が万年バイトでも構わない。
偉そうにならない人生、でも人と交わる人生。
いいじゃない。
父の交友関係の広さを喜ばしく思う。私には絶対にない富なので。
ありあまる富、金で買えない富。見えない富。
たくさんあるよね。そう思う。
世界が妬むとしたら、この楽観主義かな。
では。
お金の話は嫌い。
今の感想です。