ーー租界。 私はその言葉を覚えている。 「ここはもしかして燈明租界なのですか?」 口に出した瞬間、たくさんの事が胸に湧いてきた。 租界とはある国にありながら別の国の決まりが通る土地のこと。 ただ租界と言うならば、それは燈明租界に置いて他ならないこと。 記憶喪失の「私」が「芦取」という少年とすごすモダン東洋な架空世界を舞台にしたお話。
母から女王様を捜すよう命令され旅に出た小学生の井原徹は女王様を見つけることができず実家に戻る船に乗った。 倉田茜は家族で松山に帰省する船の中で知り合った徹に実母を亡くした経緯を打ち明けたことで物語は転がり始める。 地図に真直ぐに引かれた二本の線の下に人間には知ることができない狐福が眠っていた。
『全てが灰になりゆく世界で、僕ら一人一人が真に望んだものは何なのだろうか。』 藍様の小説(http://slib.net/80477)の2次創作となっております。