ヴィランと半端なヴィラン
爆音が聞える、ヒーローは今日も街を破壊していた。創造しい音、鼻につく口調、あるいは扇子か、にぎわう慣習、斜に構える人、そのどれでもない悪質な何かがまちをさまよっていた。彼は溜息と舌打ちを同時にやってのけた。ただそのあとには、ご機嫌に違う対象、あるいは監視していた。
「やあ」
「なんだお前、しにてえのか?」
「ふふ」
「なんだきもちわりい」
ヴィランだ、路地裏にヴィランがきた、ヴィランの前で、立ち向かうその人間は、両手を空にかかげ、きれいに指を成立させて、まるで指揮棒をふるうように綺麗なしぐさで、胸をはり、マフラーをくびにまきセーターのなかでぬくぬくと温まった肌や内臓から、よく声の通る言葉をはいた。
「俺はヒーローになれなかった、だからヴィラン、あんたに倒されるのをまっているのさ、なあ、それか俺を仲間にしてくれないか!?あんたもつらい事があったんだろう、悲しいこと、つらいこと、仕事、人間関係、いやな世の中だからさあ」
ヴィランは、彼の瞳のクマをみた。
「可哀想な奴にかまっているひまはねえ、俺は悪人としてしか、才能を発揮できない」
そういってたちさったヴィラン、彼が使うのは、細長い足で、何よりも高くジャンプする事ができた、それで彼はどこかへすっとんでいってしまった、ヴィランと話した観衆の彼はしたからヴィランがうちあがるとき、こっそりその飛ぶ姿の写真をとった、路地裏からひらけた空へ、高層ビルの屋上へもいけそうだ。今日もヴィランは、彼をヒーローだとみとめなかった、ヒーローに写真やデータをうりつける、飛んだ悪役もいたものだ。
ヴィランと半端なヴィラン