主人公、富立恭一はアマチュア・ロック・ミュージシャンで、定職に就かず、いろんな仕事で食いつないでいた。新しい仕事は、ボイラー管理、地味な仕事の中での数々の出来事を体験し、また彼に執拗に入会を迫る宗教団体の会員達の純粋な姿と、彼を虜にするある女性会員への恋心を描きながら、新たなる境地に旅立つのだった。当時話題となった「新札発行」「世界フィギュアスケート東京大会」「投資ジャーナル事件」「日航機墜落事故」などに触れている。
友情と恋愛、いつもの他愛無いドラマとは違うようだが、主人公は誰なのだろう。高校時代の淡い想い出は果たして真実なのか、フィクションなのか?彼女を信用して良いのか?倒錯した恋愛意識、そして妄想が暴走して引き起こす事件は現実なのか、夢なのか?真実はいったいどこに?
ロックミュージシャン志望の青年が、ひょんなことから電気工事を。それも短期アルバイトのはずが、なんだか煙に巻かれて社員登用、その日のうちに寮に入ってみれば、6畳に3人が寝る一般住宅。秋田や沖縄の暴走族が更正して電気工事を。労働基準法無視の24時間労働。といいながら楽しかったなあという想い出話である。
もう人類みんな本になるしかないね。四角くてつめたい本になって自己満味わうしかないね。裁断されるほかないね。ささくれもへったくれもないね。