中学2年生の主人公は全くの初心者でありながら柔道の県大会に出場する。 また、たまたま行ったアルバイトがきっかけで因縁の組関係者と衝突。 さらにアイドルの依頼で凶悪プロレスラーから守るボディガードの仕事まで。 そして高校の特待生の中の特待生である、特特待生に推薦してもらうために、高校生のスポーツ猛者たちと対戦することになる。主人公の平和はいつ訪れるのか!?
主人公の茜が2年生になったときに性同一性障害の野沢英一を助けてあげることがたまたまありました。顔も声も美少女そのもので心も女性なのですが、体は男性なので学生服を着ています。この子は自分が法律的には男性であることを苦しんでいました。茜は心も体も女性ですが、7年間男の子の振りをしなければならなかった経験があったので、英一に同情して、その願いをかなえてあげます。その願いとは一度でいいからセーラー服を着て学校の中を歩いてみたいということでした。それを叶えてあげるために茜は英一と校内で制服を交換することにしました。ところが3年生のツッパリたちや体育教師に見咎められ、騒動を起こします。 その後、英一は第二次性徴があ目立てきたため、男性的になろうと決心し茜と距離を持つようになります。 それからしばらくして茜に柔道の県大会の助っ人に出て欲しいという依頼が舞いこんできました。
青布根中学の1年生にいきなり転入した主人公は木崎茜という偽の名前で通した。 けれども体育教師に怪我をさせてしまったことがきっかけで校内の番格組織に目をつけられ、 素手喧嘩(すてごろ)の挑戦を受ける。そしてついに本人の意思とは別に青布根中の制覇をしてしまうことに。 一方新聞配達のアルバイトがきっかけで大人の武術家とも腕試しをさせられることになる。しかしこれにも彼女は無敵だった。 木崎茜に色々アドバイスしてくれたジュンと言う青年は侠道連合の藤崎にリンチを受けて身体障害者になった。それを苦にして自殺するが、木崎茜はたまたま藤崎が青布根まで勢力を伸ばそうとしてきたところをジュンの仇とばかりに追い払うのだった。。
ヨウコは美しい女性だった。一目で恋に落ちた。 彼女のために何でもやった。彼女が微笑むだけで幸せだった。 ヨウコのロッジで過ごした日々は虹色に輝いていた。 けれど、私は彼女を裏切ってしまった。 七色に輝く世界から私は逃げ出したのだ。
「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」 小説の一文。私はそれを読み凍りついた。なんて執事だ。主人に堂々と暴言を吐くなんて。 同時に私は憧れた。そんな本音をぶつけ合えるような関係に。
――深夜の学校。その二階の廊下で、月明かりに照らされた二人の男子生徒が対峙していた。 武骨な男子生徒はラバースーツに学ランを羽織った姿。はたから見ると救命具を付けたダイバーのように見えなくもない。 一方、対峙する痩身の男子生徒はフード付きのレインポンチョを被っている。こちらはまるでてるてる坊主のようだ。 頑強な似非ダイバーが顎に手をやりつつ話しかける。 「今回の戦い、負けるわけにはいかんのよ」 彼の周りで無数に漂っている赤い物体。その一つ一つが静電気のような火花を散らしていた。 「おや、奇遇だね。僕も今回はおいそれと勝ちを譲ることはできないんだ」 虚弱そうなてるてる坊主も背筋を伸ばし負けじと言い返す。 彼の後方2メートル、その床にひしめく赤茶色の騎馬隊人形が剣を一斉に掲げる。
――僕はいじめられっ子だった。 昔から太っていたし、緊張すると言葉が上手く出てこない。 そんな態度がいじめられる原因となったのだろう。 教室では皆が僕を空気のように扱い、僕もまた空気になれるように息を殺していた。 今はもう、僕はかつてのいじめられっ子ではない。 だって僕はこの学校に必要不可欠な「奴隷」なのだから――。
――今日はバレンタインデー。 モテない少年たちが甘い幻想を求め、少女たちから苦い現実を教わる日。 そして、公園のブランコに座る少年もまた苦い現実を味わおうとしていた。 「あーあ、今年もチョコはゼロか」 少年は落胆しながら肩を落とす。 「おい、お前って本当に役立たずな」 「……ウンメイは一樹の指示に従う。失敗したのは一樹のせい」 少年と話しているのはウンメイ。少年が持つ、運命に文字を刻む力を持った不思議なペンだ。
部室で三人の男女が話している。 「で、ヨワキ。どうしてお前は部屋の隅でコソコソしてるんだ?」 ヨワキと呼ばれた男子生徒は、気まずそうに部屋の真ん中のソファを見やる。 「い、いやぁ。俺が出しゃばるとまたヤルキさんの機嫌が悪くなるかなぁなんて」 それを聞くとヤルキと呼ばれた少女は無言でヨワキの元に歩いていき 「安心しろ。お前のその発言のせいですでにあたしは不機嫌だ」 その胸倉をつかむとソファの方へ投げ飛ばした。 「あだ! ……ねえ、ノンキさん。俺、何か悪いこと言った?」 投げ飛ばされて仰向けにひっくり返った状態でヨワキは窓際の少女に声をかける。 「ノンキ! 言うだけ無駄だぞ! こいつには何を言ったって意味がない!」 「うーん……だってさ、ヨワキくん。あ、このチョコ美味しいー」 「……ノンキさーん、うげっ」 気付けばヨワキの腹にヤルキの足が深く沈み込んでいた。
若い男は隣の彼女の方を見ていなかった。 (昔はさ、宇宙人なんて夢物語なんて言われてたんだぜ) (あら、それじゃあ私たちがその頃の地球にいたらさぞかし珍しがられたでしょうね) 隣の若い女の方もそれを気にすることなく男の向いている方向を向いている。 (ははは、それどころか『宇宙戦争でも仕掛けに来たのか!』なんて言われて迫害されたかもよ) 女は少し眉をひそめる。 (……まったく、そんなちっぽけな所は今も変わらないのよね) (まあ、そう言うなよ。そんな彼らにしかこういうものは作れないんだからさ) (……まあ、そうなんだけど) 不機嫌になった彼女は男になだめられると軽くほおを膨らませた。
「お待たせしました! 実況解説部の今北三行(いまきたみこう)のお送りする予算争奪バトル”マネーコロシアム”! 本日もスタートです!」 その途端、体育館に生徒たちの歓声が爆発した。千人は収容できる体育館は熱気に包まれ、どの生徒の目も爛々と輝いている。その視線の先、そこには体育館中央に設置された白いリングがあった。 「本日の対戦は――料理格闘部(フードファイトクラブ)と寒中遊戯同好会(コールドプレイグループ)! 果たしてどちらが勝つのか! 勝負の行く末をその目に焼き付けろ!」
誰かを好きになるとはどういうことなのだろう。 エルフの彼女に告白された時も、それからなんとなく付き合い出して一年が過ぎた今も答えは出せないままでいる。 だから、僕は自分の心を試してみたくなったんだ――。 「――いやぁ旦那すみませんね、こんな旧式のコンピュータで」 埃っぽい雑居ビルの一室で時代遅れのブラウン管を叩きながら、でっぷりと太ったゴブリンが下品な笑い声をあげる。 汗と涎の入り混じった悪臭の中、歯の抜けた不細工な顔と向き合いながら僕は事務的に彼に声をかける。 「それで、便利屋さん。これが人工衛星からビームを操作する機械ですか?」 「ええ、こいつで照準を合わせてボタンを押せば標的から半径一メートルは……ドッカーンってわけでさぁ」
「みなさんには殺し合いをしてもらいます」 高校入試の試験会場にいる俺たちを前にその教官は事務的に言った。 ルールは三つ。制限時間は一時間。その間に誰かを殺すこと。教室から逃げることは禁止。 「それでは始めてください」
「『今日死』」 それがどうやら俺の未来らしい。 うちの学校にある未来予想部は、この先の未来を百発百中で的中させると有名な部だ。よく裏門近くに黒塗りの車が止まっていて、偉い人が秘密裏に相談をしに来ているんじゃないかと校内でまことしやかに囁かれている。 そんな未来予想部に昨日初めて俺は依頼をしてみた。高校三年の秋を迎えてふと将来に不安を覚えて、「俺って職に就けるのかなぁ?」なんて真面目に考えちゃった、その結果がこれだ。 「今日死って……やっぱ今日死ぬってことだよな?」 未来予想部はこれからの未来を簡潔に教えてくれるらしい。料金は一文字につき200円。他の奴にとっては安いのかはわからないが、少なくとも俺のエロ本を買う金が不吉な一言になったのは間違いない。とにかく今日一日は気を付けて生活しないと―― 「おい、山本!」 「うひゃうぁっ!」
「君に恨みはないが……、部の予算のために消えてもらう!!」 「ちょっと待ったぁぁぁあ!!」 スラッとした長身美少女がジャージ姿で上段蹴りを放ってくる。 あ、死んだ。まさか部の予算争奪戦だかで蹴り殺されるなんて夢にも思わなかった。でも、むさい男に蹴られて死ぬよりはこのポニーテールの可愛い女の子に蹴り殺される方が幸せだよな! あ! もしかしてフラグ? 俺は生き延びてこれがきっかけで彼女との波乱万丈、甘く切ない青春物語が始まるとか? そうか! それなら納得だ! ならば俺はこの蹴りをあえて受けよう! 避ける間もないけどな! と、そうして俺が走馬灯を見るようにキャッキャッウフフな世界に行こうとした瞬間、彼女は突如軌道を変えて床にその足を叩きつけた。 「……なんのつもりだ、司馬」 廊下に直径1mのクレーターを作りながら、格闘美少女は俺の後ろを睨みつける。
「なあ……、こんなことやめようぜ?」 植え込みの陰で冷えた体をさすりながら俺は呆れ気味に言った。 「おいおい、何言ってんだ戦友! 宝はもう目の前に迫っているんだぞ?」 前に座り込んでいた圭介はこちらに振り返ると、信じられないというような目で俺を見た。 「いや、だってなぁ……」 その時、向こうの方からセーラー服の女子学生が駆けてきた。 「っ! 来たぞ!」 足音を聞いて姿を確認した圭介が、興奮しながらも小声で声をかけてくる。俺もつられてそちらを見てしまう。 そして、目の前の排水溝から吹きあがる突風が、少女のスカートを勢いよくめくり上げた――。
夕焼けに空が赤く染まる中、遠くで鐘の音が聞こえた。 「ねえ、聞いてる?」 私はなぜこんな山奥の廃村に来てしまったのだろう。 「私、人と会うの久しぶりなの」 今更後悔してももう遅い。 私はこの子に見つかってしまったのだから。 「私と一緒に、遊ぼうよ」
「俺は、パンなんかじゃなくてパスタが食いたかったんだ……」 ここは取調室。目の前にはくたびれた服を着た中年の男が座っている。 俺はため息をつく。さっきからずっとこの調子だ。 「なに? おたくイタリア料理が好きすぎて殺人鬼になったのかい?」 聞いてからしまった、と思った。しかし、もう遅い。 「●%▽#■×&@!(*><($?」 男の言語が、イタリア語のような言葉に変わった。
かれこれ三時間ほど私は悩んでいた。 「……むぅ。悩むなぁ……」 目の前にあるのは二着の水着。一般的にはスクール水着と呼ばれるタイプの水着だ。 ただ、二着の水着には一箇所だけ違う点があった。 「白か、黒か……」 そう。詰まるところ、私は明日に着る水着の色で悩んでいるのだった。