裏切り そして 復讐

フィクションですよ。

「麻子ー!移動一緒に行こー!」
「いいよ。加奈、忘れもの無い?いつも加奈は忘れ物するんだからさ。あ、沙也加と咲羅も一緒に行こーね!」
「忘れ物いっつもしてないよ~!!」 
 
 アハハハハと笑いあう私と麻子。
 
 間川加奈。中学一年生。
 そして一緒に笑いあっているのが、夏川麻子。
 
 私と麻子は小学校6年のときに仲良くなった。
 麻子が描いた絵を私が褒めたことから始まり、そして中学になると、より一層仲が深まった。
 藤川咲羅と、中川沙也加も同じクラスだったため、仲良くなった。
 咲羅は同じ小学校だったが、沙也加は違う小学校から来た。
 
 二人ともとても仲良くしてくれるし、面白い。
 
 みんなに出会えて私は幸せだなぁといつも思っている。

 だが・・・
「あ、秋乃も一緒に行くらしいから、待って」
 麻子が言ったことばに心臓がドクっと跳ね上がる。
 
 やだ・・・
 秋乃と一緒に行くなんて・・・


 小川秋乃は同じ小学校だったが、あまり関わることが無かった。
 だって、秋乃と居ると劣等感を感じるから。

「準備できたよー!!あ、そーだ、中間テストのときに提出するワーク出した?私もう3日前に出したよ!」
 
 ほら。
 また、こんな風に、私に劣等感を感じさせる。

 秋乃は私より頭がいいし要領もいい。

 
 本人は全く気にしていないと思う。
 私がこんなに劣等感を感じているなんて、ありの涙ほども思っていないだろうな。


 私が秋乃のことが嫌いなのは、麻子も咲羅も沙也加も知っている。
 なのに、秋乃と仲良くする。
 移動のときなんて、私を忘れて先に行ってしまったりする。
 
 秋乃と。


 最近は一緒に帰ろうとするし、移動のときも毎回毎回、麻子についてくるようになった。

 麻子たちも、私といるより楽しそう・・・

 
 私は少しずつ麻子たちと距離を開けながら歩く。


 
 そして生まれてきたのはこの感情。
「あいつさえ居なければ、私と麻子はもっと仲良くなれたはずなのに。」
「麻子たちはなんであんなやつと仲良くするの?私といるより秋乃といるほうが楽しいんだったら、秋乃と居ればいいじゃん。」


 この二つの感情がぶつかり合って、私をややこしいことにさせていく。

 麻子たちに怒ったり秋乃に怒ったり。



 結局その日の移動は、私は一人で、麻子たちは秋乃と、と言う風になってしまった。
 
 
 
 
「おはよう」
 麻子に声をかけられるが、
「おはよ」
 いつもより軽く応える。

「あぁそうそう、今日秋乃と遊ぶけど来る?」

「明日テストだから行かない」

「あ、そう?わかった」
 麻子は秋乃たちとおしゃべりに行った。

 もう知らない。

 秋乃と仲良くしたいならすればいいじゃん。


 私は一人でいるからさ。



 ずっと友達だって、麻子、何回も言ってくれたのにね。



 その日の放課後。
 私は教室に、忘れ物をとりに来た。
 
 教室の前まで来たとき、教室から声が聞こえてきた。
「いや別にー」

 麻子の声だ!
  
 あ・・・でも・・・麻子がいるってことは、秋乃もいるんだろうな・・・
「マジで?」
「うん」
 やっぱり・・・秋乃の声が聞こえる。

「それって、加奈が可哀相じゃん?裏切ったってことになるし」
 咲羅の声。
「確かに」
 沙也加の声。


 みんないるんだ・・・
 
「別に可哀相なんかじゃないよー。秋乃といるほうが楽しいもん。ねー秋乃!」
 
  
 え・・・?
 麻子、何言ってんの・・・?

「私も麻子といるのが楽しい!」
 
 秋乃・・・


 私はその場にいてられなくて、駆け出した。


 麻子に裏切られた。


 その事実だけが、頭の中をめぐってく。


 家に帰って、ベッドでなき続けた。


 
 ずっと友達だよっ、って、言ったよね?
 すると、こんな考えが頭をめぐった。

「秋乃と麻子を殺せば、この世から居なくなる。そしたらあの二人が仲良くしているのを見ずに済むし、困らなくて、いいよね。」


 そうだ。殺そう。

 明日。

 
「秋乃、麻子、今日はテストだねっ!」
 昨日とは違って、明るく笑い掛ける。

「あ、うん」
 つまらなさそうに返事をする二人。

「今日、夜祭りがあるでしょ?一緒に行かない?」
 祭りがあるなんて、全て嘘だ。

「いいよ。」
 作り笑いを浮かべている。
「じゃあ決まりねっ!今日の夜9時に、二人できてね!あやめデパートの裏にある、うすぐらーいトイレで待ってるからさ!」
 
 すべて分かってるよ・・・
 作り笑いだってバレバレだよ。
 今日・・・ざまを見るがいいわ・・・

 夜9時。トイレの奥で、私は包丁を握り締めて待った。
「ホントだるいわー加奈と祭りなんてー」
「アハハー確かにぃ」
 
 トイレの外で、麻子と秋乃の声がする。


 
 今だ。



 
 トイレを飛び出して、秋乃のおなかにナイフを入れる。

 そして引き抜く。

 また横で見ていた麻子にも、包丁を入れて、引き抜く。

 二人はおなかを押さえてうずくまった。

「なっ・・・何するのよ・・・」
 
 やっと麻子が声を出した。

「人を裏切るようなクズ人間は死んでしまえ。人の親友を取るようなクズ人間は死んでしまえ。」


 その言葉と、ナイフをその場に捨てて、家に帰った。



 
 その次の日、中学生の女の子が二人殺されたと言うニュースが日本中を駆け巡った。
 そして、犯人はまだ捕まっていないそうだ。



「加奈、怖いわね・・・あんたも気をつけなさいよ」
「わかってるって。じゃあ行って来る。今日テスト返ってくると思う」
「いってらっしゃい。」
 

裏切り そして 復讐

実は、私の親友が今私が嫌いな人と仲良くしていて(#゚Д゚)y-~~イライラしているんですよね。
でも、だいすきだからこんな事はしませんよ(笑)
ちゃんとわかってもらうつもりです。

裏切り そして 復讐

気をつけてー

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
更新日
登録日
2012-05-31

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