何かがおかしい。 永田麗美が異変に気付いたのは宮都中心部にある広場に着いた時だった。 警察官が慌ただしく連絡を取りながら、落ち着きもなく何かを探しているようだった。 「おい、どうかしたのか?」 突然話しかけてきた相手に童顔で幼さの残る警察官は一瞬警戒する気配を見せたものの、永田の胸のバッジを見てヤマトの関係者と悟ったようだ。 「いえ……実は宮都に爆弾が仕掛けられたらしくて。今、宮都の警察官を総動員して捜索にあたっているところです」 なんともキナ臭い話だ。確かに見渡せば普段の倍以上の警察官の姿が見える。彼もその一人なのだろう。 「爆弾の形状と大きさは? うちの学生たちにも探させるよ」 「え、あ、は、はいっ! えーっと、形状とサイズですが……」 するとそこで童顔警察官は押し黙った。視点は永田の後ろを見ている。心なしか顔が真っ青に見える。 「あ」 「あ?」
「――関東地方南部は北の風のち南の風、一日中快晴で昨日に引き続き真夏日となるでしょう。次は明日以降の一週間の天気――」 校庭脇の並木道で、数えきれないほどのセミのオスが鳴いている。 そんなメスの気を惹くための全身全霊、命を削った鳴き声の大合唱が響く中、教室で酒野修一は電子ペーパーに映し出された補習問題とにらみ合っていた。
芸術学部への進学を目指し、毎日近所の湖でスケッチをしている茂里。夏休みのある日、彼女は湖上に立つ八重垣姫を写真に撮る恩田志朗と出会う。 八重垣姫が誰なのか知らない茂里は、生粋の地元民である親父に話を聞く。以来八重垣姫はたびたび茂里の妄想に登場し、恋愛について口を出すようになる。 ある日茂里がいつものようにスケッチをしていると、足の悪い男が近付いてくる。するとその男との接触を阻むかのように、一匹の白蛇が茂里の前に現れる。
究極のモテ期。 ばったばったと女子の群れをなぎ倒していくがそれでも尚眼前には女子の群れ。 その時起こった一番恐れていた事態。 男子の登場。 そしてこの現象の正体とは・・・! 完結偏。
二人の華麗な天才の生い立ち、その多彩な才能、凡人では理解のしようのない思考回路、きっとあなたは読み終えた後に光夫と真一郎の虜になっていることでしょう。