狂喜-3-

あれから何度か彼に話しかけられたが
私は応える気にはなれなかった。

彼への興味は各自に薄れてしまった。
部活を覗くこともなくなったし
夜に彼の部屋の電気がついているかの確認もしなくなった。
彼の教室へも入らなくなったし
登校する時間帯も合わせなくなった。
なにより、休日を彼の後ろについて行くことに使わなくなった。

いったい何のためにしていたのだろう。
彼の存在を確かめるだけで込み上げてきた感情はもうない。

あんなに簡単にオンナと接する人だとは思わなかったのだ。
ましてや私なんかに。
ふと現実が私の目の前に立っていたのだった。


教室に戻ると、机の中に一枚の紙が入っていた。

愛している、とだけ書かれた紙を見て
私は血の気が引くのを感じた。

狂喜-3-

狂喜、私編でした
彼サイドも書きたいと思いますので
また読んで下さい

狂喜-3-

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-30

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted