狂喜-3-
あれから何度か彼に話しかけられたが
私は応える気にはなれなかった。
彼への興味は各自に薄れてしまった。
部活を覗くこともなくなったし
夜に彼の部屋の電気がついているかの確認もしなくなった。
彼の教室へも入らなくなったし
登校する時間帯も合わせなくなった。
なにより、休日を彼の後ろについて行くことに使わなくなった。
いったい何のためにしていたのだろう。
彼の存在を確かめるだけで込み上げてきた感情はもうない。
あんなに簡単にオンナと接する人だとは思わなかったのだ。
ましてや私なんかに。
ふと現実が私の目の前に立っていたのだった。
教室に戻ると、机の中に一枚の紙が入っていた。
愛している、とだけ書かれた紙を見て
私は血の気が引くのを感じた。
狂喜-3-
狂喜、私編でした
彼サイドも書きたいと思いますので
また読んで下さい