幼馴染との帰り道、4組の広瀬さんに好かれているかもしれないという噂を伝え聞いてからというもの、次々に不思議な出来事が僕の身の周りに起こるようになって…。
『歌』の無い世界で、『歌』を探す旅をする少年と少女の物語です。 プロローグ〜旅立ちまで。 初めての投稿な物でまだまだ不慣れですが、楽しんでいただければ幸いです。
「――君の神様で、いたかったんだ。」 卒業式の日。後輩である乃々花と再会したことをきっかけに、三谷は消えた友人・奏のことを思い出していた。 美術部の部長にして、変人。三谷に居場所を与えてくれた、恩人。 そんな彼が、なぜ何も告げずに去ってしまったのだろう。 強気を装った眼差しを向け、乃々花は言う。 「美術室に行きましょう、三谷。一緒に奏を探しに行きましょう」 これは、ありふれた青春のお話。 神様でいるために消えることを選んだ一人の少年をめぐる、ただの思い出話。 (『y.m. vol.1』より)