呼ぶ。

忘れないように、呼び続ける。

軽やかに飛び去るうしろ姿に
わたしの想いを一緒に乗せる

「どこか遠くへ連れていって」
風に盗まれた声が散る

手を伸ばしても縮まらない距離
どこかさみしさをふくんだ空気

まあるい背中を指でなぞって
わたしの想いを書き綴る

爪の痕を残すみたいに
わたしの想いを刻んでいく

あなたとのこれからは幻

あなたとのいつかは書き手を待つ白いキャンバス

自由に描く未来の題名を
忘れないように呼んでいたい

呼ぶ。

呼ぶ。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-01

Copyrighted
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