彼と彼女は退屈なバカンスを過ごしている。自分で望んだものの、彼女は刺激のない生活にストレスを感じ出している。街に出て刺激的な遊びがしたいと、彼に訴える彼女。まあまあと、なだめる彼。退屈しのぎに彼はある壮大な物語を語り始める。
僕はいつも宿題を忘れてしまう。そのことでいつも先生に呼び出されて叱られる。宿題をきちんとやってきなさいと先生は言う。僕だって先生の言うことを聞きたい。僕は宿題をしようとする。でも、宿題は僕から遠のいてしまう。それには色々な事情があるのだ。
死のまわりシリーズ 2/3話。じいさんとばあさんは何百年と二人で生き続けている。庭の桜の古木とともに。永遠につづくと思われていた生活にも終わりはあった。死についてのファンタジー。
チョコレートにはほろ苦い物語がある。ある島で戦争が勃発した。戦争に巻き込まれた島民たちは、たくさん死んだ。兵士も死んだ。でも、いいこともあった。死んだ兵士を身ぐるみ剥がせば、金になった。それにチョコレート。チョコレートは甘い。チョコレートはおいしい。チョコレートは楽しい。そして、ちょっと切ない。
店にはシーラさんがいた。シーラカンスのシーラさん。風俗店で働く私が出会った整形をしすぎて顔がつぎはぎだらけの不思議なシーラさんとの物語。シーラさんの声に耳を傾けると、私は遠く航海に出たような気持ちになる、、。
「この世に人間って、2種類いる」 「1番最初に人間としてこの地球上で進化した人種」 「それから何百年もあとに、同じように人間という種類に憧れて進化した人種」 これは、そんな李芙との話。
魔人族たちの協力のもと、マグマの中に沈む武器の回収に向かうロイド。 沈めたマトリア自身も忘れていたあるモノまで見つけたが、突如マグマの巨人が動き出す。 そして語られるワルプルガの歴史。話の最後にフェンネルが見せたのは占い師が使うような水晶で―― ムリフェンらも目的に向かって着々と行動する一方、新たな『罪人』が火の国に到着し――
高校生の時、私は毎日のように夢を見ていた。その夢は壮大な物語を持っていたが、今はもう見ることが出来なくなった。あの時の私は自身への将来性に胸をときめかせており、"きっとこの日々がずっと続く"と思っていた。テーマである「ふつう」とは何かずっと考え続けていた。 そしていまこの小説を書いてから10年近くになる。私は未だに10年前の私に期待しており、行くあての無い旅をしている。
モーモールルギャバンの「パンティー泥棒の唄」の詩をもとに書いた小説です。 原詩の世界観から物語を連想して書いたものなので、音源を聴いたことがあるなしに関わらず読んでもらえると光栄です。 高校生の突発的な感情の揺れ、昂り、自我を、客観的な視点から慎重に描いた作品です。 果たしてパンティー泥棒は成功するのか、そしてそこから何を得るのか!\(゜ロ゜)( ゜ロ゜)/?
私は私を虚構にしたがる。すべてをSDカードに入れてすましている。「私」だって「彼女」というフィクションだ。康孝君もトモクンも石塚さんだって。けれど、本当に好きな人は地平線が違う。あくまでも水平な線のうえにいる。ガリガリ君は溶けてしまい、熱いアスファルトに落ちるけど。鶏柄でとったスープ。白濁したラーメンは、Iさんへの優しい気持ち。安心。あたたかいのだ。
40代の私。一人で生活保護で暮らしてる。いさむくんから毎日ラインが来る。いさむくんって? いさむくんとの恋。結婚する水田君。そしてセフレたち。いさむくんは本当にいるのかな。いいえ。いさむくんなんていないのでした。でもこのアパートに住み始めて一か月、私の生活のほぼすべてはいさむくんだけだった。人間であっても、細胞となっても、不安から逃れられず、そのため、性は鮮やかで、私にとってされるもので、痛いもの。いさむくんだけが知っている私の本当の欲望。器官。変質した性欲。明日も、もしかしたら明後日も、いつかにも訪れるその気持ち。刺してくる逢魔が時、黄昏、火灯しどき。それは私に限ったことじゃないのでしょう。きっと。さよならって言えるのかな。あふれる人へのいとしさ、フローリングの傷。