《さあ、あなたはどこにいますか》「ええと、ヨーロッパの教会です。皆で祈りをささげています。ぼくは一番若い修道士なので末席にいます。国は、国は、ああ、ハンガリー帝国です」《もう少し、さかのぼってみましょう》「はい。場所は草原です…
(作者註:これはあくまでも架空の世界のお話です) それは、隣の大国の一方的な通告から始まった。「漢字は我が国固有の文化遺産である。しかるに、貴国は我が国に無断でこれを使用している。これは文化の略奪に他ならない。貴国はただちに…
そこは、かなり歴史のある蝋人形館だった。派手さはないが、リアルな人形をそろえている。 その中に、中世ヨーロッパ風の服装をした西洋人の人形があった。ずいぶん昔からあったらしく、いつ頃からあるのか知る者は、もはや誰もいない。 最初に異変に…
女性の化粧ほどではないだろうが、男性にとって毎朝の髭剃りは結構面倒なものである。 タカシの場合、電気カミソリではなかなかスッキリ剃れないため、石鹸を泡立て、安全カミソリを使って剃っている。人によって違うだろうが、毎朝確実に十分以上…
「ツイてねー」というのが最近のシンジの口癖だ。 立ち上がると足の小指を角にぶつけるし、歩いているとイヌのフンを踏むし、車に乗るといちいち赤信号にひっかかるし、メモを書こうするとボールペンのインクが切れているし、パソコンを立ち上げようとすると…
【愛社精神】会社のトイレが一番落ち着く。【営業成績発表】あのう、社長のは、ないんですか。【お先に失礼します】飲みに誘われそうな気配を察した部下の先制攻撃。【会議】結論を次回に持ち越すための集まり。【社員研修】マインドコントロール…
晴れた日の午後。青い空に広がる真っ白な雲の向こうから、それはやって来た。 青と白の二色で構成された空に、ポツリと現れた赤いシミ。それは見る間に大きくなって、広告用の飛行船ほどになった。 しかし、それが飛行船などではないことは、その動きで…
「鮫島さん会社辞めるらしいですよ」 倉谷にそう教えてくれたのは、営業二課の柳沢だった。「え、だってあの人あと三年で定年だろう」「そうなんですよ。三年辛抱すれば退職金を満額もらえるのに、なんでだろうってみんな言ってますよ」「うーん。何かあった…
《本日のテレビ授業参観はスペースコロニー第三小学校五年三組です。視聴覚教室で行われた歴史の授業を見てみましょう》 三十名ほどの生徒に向かって、女性の教師がしゃべり始めた。「さて、みなさん。前回までは資料ばかりで少し退屈したでしょう…
貴族達と騎士達 スマートフォンのアプリを題材とした短編小説 実際のアプリの環境やサーバ6の戦争状況・ストーリーに沿って展開していく基本コメディの作品 ※ゲームネタ多数の為、プレイするべし
学校の帰り道に宇宙人に出会ってしまったぼく。地球から離れ、新しい刺激が待っている宇宙へと飛び出すのだけど・・・。
小さな池で、子供のカエルたちが遊んでいた。 そこに、突然、一匹のオオカミがやって来た。うんとお腹が減っていれば小さなカエルたちだって狙われたかもしれない。だが、オオカミは喉が渇いていただけのようだ。ガブガブと水を飲み終わると…
ある日突然、特殊な能力が開花することがある。ほとんどの場合は子供の頃の話で、急にすごい絵を描いたり、円周率を何十桁も暗記したり、といったことだ。大人になればそんなことはないだろうと、ヒロシは思っていた。 あの日までは…