竜軌が「みわ」の行方を求め限界に達しようとする時。 過去の傷から頑なに愛情を信じようとしない少女は、北陸の海岸を歩いていた。
織田信長を前生とする新庄竜軌。望めばあらゆる声、音を聴く能力を持つ彼の耳に、かつての妻・帰蝶の声だけが聴こえない。竜はいつまで蝶を追い続けるのか―――――――――――。
月日は流れ、大学一年になった真白と荒太は、同棲生活を送っていた。 幸福に浸る荒太だが、真白はまだ、「剣護はアメリカ留学している」という創造の世界で自分を守っていた。そんな中、二人の間に起きたある出来事がきっかけとなり、荒太は一つの決意をする。その決意とは――――――――。
剣護が鏡子と消えてから、残された怜たちは喪失感に打ちのめされる。 真白は剣護を目前で失ったあと、気絶したままだった。次に目を覚ました彼女が怜と荒太に語った言葉は、思いもよらないものだった。怜は心の痛手に苦しみ、妹である真白の存在にすがろうとする。