私達が生まれた日の空は、彼方にそれがかかっていた。 「貴方はまるで、天から梯子を使って降りてきたみたいね」 ママはそう言って、およそ天使とは程遠いくちゃくちゃでしわしわの小さな私を抱きしめて笑ったらしい。 そう、その時、私達は生まれた。 琥珀、湧泉音……そして私。 大分県別府市で移り行く時間の中、描かれる三人のロードストーリー。
前回のあらすじ:巨木から落下した中野は、大型犬並みの体格をしたクモの怪物に出会う。あわや餌食になるかと思われたが、助けに来たモフモフから意外な事実を知らされた…
遺伝子研究の実験体として遺伝子特化型サンプルにされた宗方ひなたは、自身の能力を持て余しながら、他者を避ける日々を送っていた。自分の能力が誰かを傷つける、それが怖くてただコワくて。繰り返えされる転校の日々。その転校先で出会ったのは、【実験室】で暴走し、発火能力(パイロキネシス)で傷つけた少年だった────オトナの思惑に翻弄され、サイキック能力を押し付けられた少女達が戦い続ける理由は、この街と目の前の大切な人をを守りたい一心それだけで。原案協力・水原緋色様。第2章「使い捨てられる廃材たち」開幕。ひなたと実験室ついに本格的に衝突。 ※taskey様でも同時掲載しています。
ロックバンド、BAZZのヴォーカリスト詩には一部、過去の記憶がなかった。七年前ある事件がきっかけで植物状態に陥ってしまった兄の春人と深く関係している。その事件の真相を知る者は彼女の家族、そして春人の親友、義人だけだった。彼は結婚した身でありながら、彼女をずっと見守り思い続けてきた。そして彼女もまた義人を思っていた。どんなに二人が思い合っていても決して気持ちを口にしてはならなかった。沢山の犠牲が目に見えていたから。だが奇跡が起き、春人が目覚めた時二人の関係が大きく変わり始めた。詩の失った過去とは?色んな人たちの複雑な思いが交錯していく中、二人の行く末に未来はあるのか?