秋桜に寄す/短歌七首

彼方より寄るはコスモス花の波
時の風間に我呼ぶは誰

そは彼の人か細き身に麗し花を咲き揃え
野分の風にも耐えて生き抜く

目の前の華に見惚れる振りをして
見えぬ心に抱くは彼の人

花の波その中ほどに立つ人を
思い浮かべて瞼のシャッター

気まぐれな風に押されて秋桜の
花の大波寄せては返しぬ

秋桜の風に誘われその人は
介護の目を抜けふと彷徨いぬ

見たやな~あのコスモスのなかに立ち
惑いの髪を梳かす君をば

秋桜に寄す/短歌七首

秋桜に寄す/短歌七首

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-28

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