ひきこもりvsやんでれ〜ひきやん〜

初めましての人は初めまして…まぁ、初投稿なんで、皆さん、初めましてなんですが。
とりま、紅鷹聖羽です。
この度の肝心の内容は、ひっきー男子高生とやんでれ女子高生の物語で御座います。

えぇ…恋愛は程々に、面白いさを出来るだけ入れられるような作品を目標に頑張りたいと思います。

…その前に、完結出来るかどうかが問題ですね(^_^;)

では、あまり御期待せずに御覧下さいませ。

ねぇ?…何時まで、殻に篭っているの?

「ほら、いくら引きこもって良いって言ったって、規定数達しなくて単位落とさないでよ?私、アンタの将来不安だわ」
と言い乍、母は寝具で寝ている俺の肩を揺らした。
「…嗚呼、分かったから。毎回、何度も言うなし」
とりあえず、煩いので起き上がった。
「だって、アンタが毎回なかなか起きないからでしょ?」
…確かに、それを言われたら何も反論出来まい。
「さて、私、台所に戻るから。朝食用意してあるから、ちゃんと食べて行きなさいよ?」
「分かった。じゃあ、はよ。行ってくんない?着替えてぇの」
「はいはい、分かったわよ。…あ、それと、ちゃんと、夜の"アレ"片付けた方が良いと思う」
そう言い残すと、部屋を出て行った。
「…えっ?えー!?俺、片付けたような?えっ?!」
つい、取り乱してしまった。否、男子高校生として、一人の男として、当たり前の反応だろう。

着替えが済んだところで、母が再び下から言ノ葉を発した。
「早くしないと遅れるでしょ?アンタの分まで食べちゃうわよ?」
全く、毎回、人を焦させる。勘弁して欲しい。とか思いつつ、俺はこう言った。
「分かってるって。今、行く。てか、人の分まで食うから太るんだろ?」
そう、思春期の小僧が思春期でよく有りそうな発言をしてみた。
「太るって?大丈夫。私、気にしない」
母上からの予想外の発言。こりゃ、一本取られた。やられた。

…と、そんな会話しつつリビングの有る一階に降りた。

「あら、ようやく降りてきた。はよ、お食べ?」
二階から降りてきた俺を見た、母は朝食を食べる事を促す。
「ういー」
と返事しながら、朝食が置いてある机の椅子に座った。
「そう言えば、父さんは?」
いつも、俺の隣で座っているのに姿が見えないから、気になって聞いてみた。
そしたら、いつも笑顔の絶えない母が急に神妙な面持ちで、言った。
「嗚呼…引男、此れから落ち着いて御聞き?」
思わず、息を飲んでしまった。
「急になんだよ!なんか、父さんに有ったん!?」
「実は…お父さんは会社のトイレの中から出ようと思ったらドアが開かなくなっちゃったの!!」
悲しい顔を見せた後で、顔を両手で覆っていた。
泣いてるようにも思えるが、みんなも想像はつくと思う。そう、母は涙を流し乍笑っていたのだ。
「…おい、俺の心配した気持ちを返せ!神妙な面持ちで言う事じゃねぇだろ?」
俺も、つい、笑ってしまったので、息を整えた後に言い放った。
「良いじゃない?こっちの方が面白いでしょ?」
母はそう言うと、笑いが増した。
その姿を見て、俺は溜息を零したあとに話を進めた。
「…で、父さんはどうなったん?」
「結局、警備会社の人を呼んで開けて貰って。閉じ込まれた分の残業だって」
「そっか。父さんにどんまいって言っといて。んじゃ、そろそろ行くわ」
話と同時に朝食を終え、鞄を持って玄関に向かった。
「行ってらっしゃい」
そう言うと、母は手を振ってくれた。

さて、学校に着いた訳だが…詳しく、細かく、言うと、学校のドアまで着いた。
「…着いてしまった。しょうがない。行くか。」
とか呟き、一呼吸して、自動ドアを開けた。
「お、久しぶり。どう?元気にしてた?」
そう、俺に声をかけて来た人物は、この後、俺が授業受ける国語担当の教師だ。
「あ、お久しぶりです。元気と言えば元気ですよ。じゃあ、また後で宜しくお願いします」
そう言い残すと、あまり他人と話したくない俺は早歩きでその場を離れようと…した時だった。
「じゃあね、また後で…きゃっ!?」
「…えっ?うわっ!?えっと、御免なさい!!大丈夫ですか?」
他の子と話し終えた女の子とぶつかってしまった。
倒れる彼女に対し、驚いて、慌てて謝った。
「嗚呼…えっと、こちらこそすみませんでした。私は大丈夫です、貴方は?」
と、言葉を返しつつ、彼女はゆっくりと立ち上がった。
「あ、はい。俺も大丈夫です」
「なら良かったです。…えっと、では、私はこれで」
そう言い残すと、一回頭下げて行ってしまった。

さて、俺もそろそろ授業が始まる為移動した。
説明しておくと、うちの高校は通信制で、クラスなどはない。学年も単位次第で変わるシステムで、自分でやる教科は自分で決められる。

「此処だな…とりあえず、目立たない席に…」
独り言呟きながら教室の奥へと行こうとした瞬間に視線に彼女が映った。そう、先程、ぶつかった女の子だ。
思わず、独り言を途中で止めてしまった。
「あっ…どうも」
彼女も俺の存在に気付いたらしく、小声で挨拶しながら、頭を下げた。
「どうも」
俺も挨拶をしつつ頭を下げて、彼女の座った席から三つ程後ろの列のドア側の席に着いた。

「えぇ、では、始めようと思います。恐らく、今回の講座は…」
どうやら、此れから授業が始まるようだ…。
「さて、点呼したいと思いますので。名前呼ばれたら、はいって返事するか挙手をお願いしまーす」
点呼が始まって、5名程呼ばれた後、俺が呼ばれた。
「家中引男くーん」
相変わらず、教室に響き渡るようなフレンドリーな呼び方だと思いながら、とりあえず、挙手した。
続いて、何名か呼ばれた後、彼女も呼ばれたのだ。
「照闇穂花さーん」
「はい」
照闇って言うのか。まぁ、知ったところで、今後、関わる事はないのだから関係ないだろう。

「さて、じゃあ、そろそろ時間かな?…うん、そうだね。今日の授業はこれで御終いです。お疲れ様でした!」
教師は黒板に書くのを辞めたと思えば、時間を見ては確信したように頷き。授業が終わった事を生徒に告げる。

「さて、と…」
俺は教科書や筆記用具をバックに入れて、椅子を机に入れ、視線を上げた。
「先程はすみませんでした。まさか、同じ授業に出るとは思ってもいませんでしたよ」
そう、視線を上げた先には、先程の彼女が居て、優しそうな、ほんわかとした微笑みを浮かべて話し掛けてきた。
「あ、いえいえ。此方こそすみませんでした。そうですね、俺も驚きました」
俺は笑って返した。
「因みに、このあと、他に授業とか有るんですか?」
「いや、今日はこの授業だけですね。でも、この後、用事が有るのでこれで」
俺は嘘をついた、この後は何も用事は無い。早く帰りたい為に吐いた嘘だった。
「あ、そうですか?…用事が有るのにすみません。お疲れ様でした」
慌てさせてしまった、少し罪悪感を感じてきたが俺は…
「大丈夫ですよ。お疲れ様でした」
御辞儀して、早足で学校を後にした。

…しかし、電車の時刻とバスの時刻が合う時間を考えれば、50分程暇になった。
「如何しようか?…近くのスーパーにでも寄ろう」
俺は学校から5分程の大手スーパーに向かった。
「ふう、とりあえず、飲食店に入るか」
呟いて、飲食店に入ると、ベルが鳴り、いらっしゃいませと女性店員の声が聞こえてきた。
「お客様、1名様で宜しいでしょうか?」
「はい。一人です」
「有り難う御座います。奥の席へどうぞ」
店員は早足歩きで近寄り、席を案内してくれた。
「御注文がお決まりしましたら、お呼びください」
席に着けば、一言発し、御辞儀して去っていった。
「何にしようか…簡単に、サラダとピザにしておこう」
俺はインターホンを鳴らした。
「お持たせ致しました。御注文をお伺い致します」
「えっと、海鮮サラダとたっぷりと海老やハムが入ってますよ!本当の本当ですからね!ピザを一つ、それと、ドリンクバーでお願いします」
「はい。御注文をご確認させて頂きます。海鮮サラダがお一つ、たっぷりと海老やハムが入ってますよ!本当の本当ですからね!ピザがお一つ。そして、ドリンクバー付きで、宜しいでしょうか?」
「はい。それで大丈夫です」
「有り難う御座います。では、ごゆっくりどうぞ」
とりあえず、注文を済ませた。
「随分と長い名前のピザだった…てか、最後に念を押す必要あるのか?」
突っ込むように呟きながら、飲み物を取りに向かった。
「此処の飲み物はあまり良くないから、安定の烏龍茶で」
そう口にしながらボタン押したのだが、運悪く、先程の店員さんが通ってしまった。
「えっ?やばっ…もしかして、聞かれた?な訳!?」
動揺しつつ、席に戻った。
「お持たせ致しました、たっぷりと海老やハムが入ってますよ!本当の本当ですからね!ピザと海鮮サラダで御座います。ごゆっくりどうぞ。」
笑顔で対応してくれたので、胸を撫で下ろした。
「いらっしゃいませ、お客様は2名様で宜しいでしょうか?」
どうやら、新しくお客さんが入ったようだ。
「はい、二人で。」
お客の1人が店員の問いに答えた、聞き覚えのある女性の声で。
「あれ…先程の、えっと、確か。家中さんでしたよね?」
そう声を掛けてきたのは、またしても、照闇だった。
「あ、はい、家中です。用事で帰ろうとしたら、電車の時間とバスの時間合うのに50分も空いちゃって」
彼女のいる方に振り向いては、後が面倒にならないよう。先に説明をして置いた。
「そうなんですか?…それにしても、今日、よく会いますね?」
彼女は掌を口元を覆った。
「えーっと、穂花。この人、知り合い?」
照闇の連れのショートカットの娘が照闇に聞いた。
「あ、御免。この人は、今日、知り合ったばかりの家中さん。で、私の友人の松内桐枝ちゃんです」
照闇は俺とショートカットの友人にお互いを紹介した。
「へぇ、そうなんだ…えっと、初めまして。穂花の友人の松内桐枝です」
丁寧に、上品に頭下げて自己紹介をしてくれた彼女に俺も頭を下げた。
「初めまして。家中引男です…えっと、それじゃあ、俺はそろそろ時間ですので此れで」
「あ!すみません、分かりました。お疲れ様です」
「お疲れ様です」
俺は自己紹介した後、まだ少し早いが会計を済ませ、店を出た。

それから、駅で少し待って、電車とバスを乗って帰宅した。

「ただいま」
俺は鍵を開け、家の中に入る。
「おかえり。今日も、まぁ、早いわね。たまにはお友達でも作って、遊んでみたら?」
母親が出迎えるなり、余計な、御節介な事を言ってきた。
「どうでもいいよ、友情とか恋愛とかは。てか、父さんは?」
一言返して、話しを逸らそうとした。本当に友情とかどうでもいい。
「どうでも良くないわよ…"ねぇ?何時まで、殻に篭ってるの?”」
逸らそう作戦は見事に、完璧に、砕かれた。
「何時まででしょうね」
適当に返して、俺は自分の部屋に戻った。うざかったのだ。
「また、そう言って。ちゃんと、作りなさいよ?高校で作る友人はずっと続くんだから」
「はいはい」
空返事して、部屋のドアを閉めた。

“また御逢いしましたね”

あの後、俺は久々に人と話して気疲れしていたのか、椅子に座りながら転寝していた。
「…寝ていたのか。そりゃ、疲れたもんなぁ」
欠伸をした後に、背伸びした。


「おはようございます」
今日も授業がある為、登校していた。
「あ、おはようございます」
挨拶をしてくれた照闇に、挨拶を返す。
「今日の授業は何ですか?若しかして…化学とか?」
「はい、そうです。化学です。照闇さんもですか?」
俺は問われた事に首を縦に振った。
「やった!当たった!…違いますよ?私は数学です」
当たった事に喜ぶと、俺が問いた事に対して、首を横に振った。
「よく、俺が化学に出ると言う事が分かりましたね?…そうだったんですか?頑張って下さい」
何故、彼女が俺の授業が分かったのだろうか。気になって聞いてみた。
「んー…感ですよ、感。有り難う御座います!」
彼女は考えているように、人差し指を己の唇に軽く乗せて答えた。
「なるほど、エスパーかと思いましたよ」
「あはは、エスパーなわけないですよ」
「そうですよね。では、これで」
俺は時間だったので、この場を後にする。

授業を終え、帰ろうとする俺に声が掛かる。
「家中さーん!」
照闇は俺の名前を呼んで、手を振って走ってきた。
「照闇さんも授業終わりですか?」
一礼して、俺は問う。
「はい、そうですよ」
彼女は頷いて、答えた。
「お疲れ様です」
一度軽く頭を下げ、労いの言葉を掛けた。
「有り難う御座います。家中さんもお疲れ様です」
相変わらずの笑顔で、彼女も労いの言葉を掛けてくれ、少し間を空けて、続けた。
「…あの、そろそろ、敬語、辞めませんか?」
照れ臭そうに笑って、言った。
「そうですね…とはいえ、なんか、タメで言えないですね」
俺は頷き、早速、タメ口で話そうとするも、照れて のあまり言えなく、苦笑浮かべた。
「そうですよね…慣れて来たらタメで話してくださいね?絶対ですよ?」
「は、はい」
約束を交わしてしまった、と言うよりも、彼女のオーラに押されて、約束された、の方が正しいのだろう。
「それと、Lain教えて貰っても良いですか?」
Lainと言うのは、スマートフォンを貰っている人であれば9割以上インストールしてるだろう、通話アプリの事だ。
「これも…絶対でしょうか?」
「はい、絶対に!ですよ?」
彼女は俺の返した言葉に、愛らしい、小悪魔のような笑顔で浮かべる。
「…はい」
つい、俺はYesと答えた。答えてしまった。

帰宅途中、電車の中で、見かけた事のある人がいた。
「あ…もしかして、私の知っているヒッキー君かな?」
向こうも気付いてしまったのだった。
「…うん、そう、君が知っているかも知れないヒッキー君だ。久しぶり。」
ふざけて答えてみたところ、あはは、腹抱えて笑われた。
俺が其処までノリが悪いと思われていたとは、意外だ。
呼吸を整えて、彼女は続ける。
「…もう、まさか、君が乗る何てね。久しぶり。元気だった?」
「俺だって、乗るさ。ノリの良さで俺負ける訳がない。誠に持って遺憾だ」
そう、言うと君はまた軽く笑う。
「何なの?その、変な自信。あの虐められて、しょんぼりんぬしてた君がねぇ」
「幼馴染さん、笑い過ぎ。落ち着け。そして、しょんぼりんぬではない、怒りんぬだから」
溜息交じりに俺もつられて笑ってしまった。
「だって、引男君が笑わせるんじゃん。まぁ、良かったよ。暗い君とじゃなくて明るい君と再会出来てさ」
「嗚呼、あの時も苛ついてただけで暗くはなかったけど。ところで、俺の名前覚えてたんだな?」
それもまた意外だった、あの時、俺は空気と同様だったからだ。
「そう?…勿論、忘れる訳ないよ。だって…初恋の…」
俺は最後の言葉が聞こえなかった、何を言っていたのか分からない。
新幹線が通ったような感覚、風で音が消えたような感じで頭が真っ白になった。
そんな状態の俺を他所に、彼女の口は動き続ける。
「なーんて、冗談だよ?勿論。君が何時も暗い顔してて、めっちゃ印象深かっただけ」
言い終わった後、彼女は腕に落ちて来た鞄を肩へと持ち直した。
「…冗談も何も、何を言って居るのか分からなかった」
「えっ?…人の話ぐらいちゃんと聞こうよ!反応を楽しみにしてたのに!馬鹿!」
頬を膨らませて、俺の肩を軽く叩いた。
「御免、ぼーっとしててさ」
「まぁ、良いけど。それよりさ、君こそよく私を覚えていたね?」
頬の膨らみが小さくなった君はきょとんとした表情で俺を見た。
「だって、君は忘れられないよ。唯一、俺に話し掛けて、何時も明るくて、学校の備品を壊すトラブルメーカーの幼馴染恋の事は。非常に覚えている」
君は冗談だろうけど…実は俺にとって君は初恋の人なんて言えまい。心の中で呟く。
「今迄、おっ!良いやつ感出てたのに!最後のトラブルメーカーを出す意味が分からぬぞ!御主!」
人差し指を立て、俺に指した。
「そりゃ、一番の特徴を入れない訳が無いだろ?」
「ムカつくわぁ…」
そういうと彼女は、じゃあね?と手を振りながら笑って電車から降りた。

既に、帰宅していて、風呂に入り終わって、パジャマを着終わった頃。
連絡が来ていた、照闇からだ。
「こんばんは。早速、今日、連絡してみました!(`・ω・´)」
早いな、と呟いた後、返信を打つ。
「こんばんは。本当に早いですね(笑)」
「はい、早く連絡したかったもので…。ところで、電車の時話してた方は知り合いなんですか?」
…あれ?駅のホームにあの車両の中に居なかったのではと頭に過る。
「はい、中学の同級生でして。それよりも、あれ?あの車両に照闇さんも居たんですか?」
「居ましたよー!…でも、【仲良く】していらしたのでお声が掛けられなくて」
何故か強調された文に俺はいったん首を傾げつつも、あまり深く考えはしなかった。
「そうだったんですか?なんか、すみません。…では、そろそろ。これで。」
俺はなんとなく話を切り上げた。
「なんで謝るんですか?面白い人(笑)はい、了解でーす!有り難う御座いました!」

夕飯を済ませた後、直ぐに眠りについた。
それもそうだろう?人と関わるなんて慣れて居ないのに関わり過ぎた、一日だった。

朝、8:00頃、細く言うと8:08、ピーンポーン、インターフォンの高い音が家中に響き渡る。

「はーい、何方?」
母親は音を聞くと、ゆっくりと来客の対応しに行く。
「あ、おはようございます。引男さんのお母様ですか?」
インターフォンの画面には、にっこりと笑みを浮かべる照闇がいた。
「はい、そうですが…」
「私、引男さんにお世話になっています。友人の照闇穂花です」
「そうなの?…あの子にこんな可愛らしい友人さんがいたなんて。ちょっと待っててね、起こしてくるから」
母はそう彼女に言い残すと、ゴキブリ並の早さで階段を上がり、勢い良く、ドアを開け、大声で発する。
「引男、起きなさーい!!!」
その騒がしさに起きてしまった、起こされた。
「うっさいなぁ、なに?」
欠伸をしながら頭を軽く2、3度かいて、答えた。
「照闇さんが来てるわよ!それより、彼の娘どうしたの可愛い子じゃない!アンタもやるね。さすが、お母さんの子!」
こんな早口で喋る母親にも驚いたが、何よりも驚いているのは、母親から出た人物名だ。
「はっ!?…なんで、家知ってんの?てか、五月蝿い!どうでもいいだろ!」
つい、うざったらしくて怒鳴ってしまった。
「えっ、アンタ教えてなかったの?…ふふ、その反応すると思ったわよ」
笑われた。何故か少しばかりでは有るが腹が立つ。
「うん。教えてないって…人を揶揄うなよ」
溜息混じりに言った。
「はいはい…まぁ、家に入ってもらうわよ?」
「了解ー」
母親が部屋を出た後、慌てて着替えて俺も部屋を後にした。

「はは、そうなの?いつも、有り難うね」
「はい。いえいえ」
下に降りてリビングへと行くと、二人の話し声と笑い声が聞こえた。
「照闇さん、おはようございます。それといらっしゃい」
俺は欠伸しながら挨拶をした。
「おはようございます。お邪魔してます」
いつもと変わらず、爽やかな笑顔だ。
続けて、彼女は口を動かす。
「まだ眠そうですね?」
「そりゃあね、寝起きですから」
俺は答えた後に、ゆっくりと椅子に座った。
「ですよね」
ふふ、と軽く笑ってくれた。
「いつもはね、いくら起こしてもなかなか起きないのよ。これも穂花ちゃん効果かしら?」
母はそう言うと台所に行っていた。
「母さん、余計な事言わなくても宜しい」
俺は去って行く母親に、発する。
左右の掌に顎を乗せ、彼女は呟く。
「それが本当だったら嬉しいなぁ」
「えっ?」
彼女の呟いた事に反応してしまった。
「どうしたんですか?」
照闇は何も言ってなかったように満面の笑み浮かべる。
「…いや、なんでもないです」
彼女の笑顔に翻弄され、何を言ったのか確認出来なかった。

それから数十分他愛もない雑談をしていたところで、口を動かす。
「そろそろ、俺、授業有るんで行きますね。一緒に登校しませんか?」
「はい。そうしましょう」
鞄を持って、家を後にした。

電車の中に入り、椅子に座るととある女子が声を掛けて来た。
「おはよ、ひっきー君!“またお逢いしましたね”」
そう、とある女子というのは幼馴染だった。
「やぁ、おはよう。幼女さん」
俺の挨拶返しに、彼女は頬を膨らます。
「幼女は酷くないかね?ワトソン君」
「ひっきー君の言ったお返しですよ。ホームズさん」
「…それより、引男君。お隣の方は?」
俺の隣に座っている照闇に気付いたらしい。
「嗚呼、この人は最近仲良くさせて貰ってる照闇さん」
「初めまして」
紹介した後に照闇は会釈をした。
「あ、わざわざ有り難う御座います。初めまして」
幼馴染は直感90°頭を下げた。そして、下げる動きが非常に早かった。
その後、少し話して、俺と照闇は電車を降りた。

あの「娘」には気を付けろよ

人生初めてだろう?友人と、しかも異性と登校するのは。
結構、緊張とかしたりしてる自分がいる。
「…結構、緊張しますね。ふ、二人で登校するのは」
二人で歩いてると、照闇が俯いて、唇が微かに震わせながら小さな声で言った。
自分と同じ事を思って居た。
「そうですね…しかも、誰かと登校するのは初めてですし」
「え…?そうなんですか?…あ!すみません」
驚いた彼女は、つい声を大きく出した事に気付き、咄嗟に口に手をあて、恥ずかしかったらしく顔を紅く染めた。
「はは、そうですよ。自分、ぼっちだったんで」
俺がそう言うと、彼女は嬉しそうに微笑んで言う。
「じゃあ、貴方の初めてを頂いんたんですね?私」
「あの…照闇さん?確かに、概ね、当たってはいます。でも、言い方が」
「当たっているのなら、言い方等如何でも良いと思います」
「いや、しかし…」
「如何でも良いんです!」
「あ…はい」
真剣な表情の彼女の勢いに押され、負けた。

学校に着いたと思えば、松内が手を振って声を掛けて来た。
「穂花ー!おはよう」
「桐枝、おはよう!」
照闇が松内に抱き着きながら挨拶を返した。
女子の仲でよくある挨拶だろうか?と思っていたら、松内は俺に気付いたのか、照闇に抱き着かれたまま、俺にも挨拶をしてくれた。
「家中さんもおはようございます!」
「おはようございます」
俺は挨拶を返した後、授業があるので此処を後にした。

授業が終わって出ようとすると、知らない男が微笑みながら俺の首に腕を回され、話しかけてきた。
「おはよう…いや、こんにちは、かな?」
「あ、はい。もう正午なんでこんにちはですね」
初めて会うのに図々しいな、こいつとか思いつつ首に腕を回らせられたまま答える。
「だよね。良かった。…ところでさ、君、最近、照闇と連んでるよね?」
表情を変えずに、問いかけてきた。
「はい、そうですけど。それが何か?」
「やっぱり…其れを確認したかっただけだよ。有り難うね」
そう言うと俺の首から腕を離した。
「は、はい…もしかして、ストーカーさんですか?」
「君、初対面で言うね。良いよ、良いよ、そう言うの嫌いじゃない」
彼は俺の言葉に対し、笑いながら返した。ストーカーではないと付け加えて。
「貴方も初対面なのに図々しいですね、自分は図々しいのは嫌いです」
俺は真顔で言い放つ。本当に嫌いだからだ。
「あはは、御免、御免」
頭をかきながら謝罪してくれた。
「もう良いですよ」
謝ったから許してやろう。
「有り難う。じゃあ、これで。…あ、それと俺は怪野元。以後宜しゅう。またね」
手を振って帰って行く。
俺はもう会いたくないが、一応、社交辞令で挨拶した。
「俺も帰るか…」
そう呟き、俺も家に帰っていた。

翌日は快晴で気持ち良い日だった。
そんな日に登校する事自体嫌なのに、昨日の奴が声を掛けてきた。
最悪だ。
「おはよ!」
「おはよう御座います。朝から元気ですね」
そう言うと彼は満面な笑みで言った。
「そりゃそうでしょ。こんな良い天気だし」
「そうですね…でも、うざいんでその笑み辞めて貰えます?」
「酷いな…昨日、会ったばっかなのに」
あの笑顔が急にしょんぼりした顔に変わる。
不覚にも、認めたくはないが可愛いと思ってしまった。
「それ、貴方が言えないでしょうに」
「あはは、そうだね」
また明るく笑った。
「なんか。小型犬ぽいですね」
本音だ。本当に小型犬ぽいと思えた。
「ちょ!せめて、大型犬にして!」
「無理ですね」
顔を決めて即答した。
「あ、はい」
溜息を溢して、諦めたらしい。
そして、彼は思い出したように口を動かした。
「そう言えば、俺は教えたけど、君の名前は聞いてない」
そうだった、忘れてた。
「あ、そうだった。俺は家中引男」
俺が名前を教えたら怪野は腕を組み考え始めた。
「家中引男、ね…んー、あだ名何が良いだろう?」
「あだ名付けないで貰えます?気持ち悪い」
会ったばかりの奴にあだ名を付けられるとか不快だ。
「分かったから気持ち悪いって言わないで…さっきから心に来る」
彼は胸の辺りに手を置きながら涙目になっていた。
「あ、すみません。つい」
「いや、良いよ」
再び、笑顔を見せた。
本当に小型犬みたいだ。
「さて、俺はこれで。またね」
怪野は手を振ってこの場を去って行った。

そして、照闇が近付いて来た。
「おはよう御座います」
何時もと変わらず、可愛らしい笑みだなと思いつつ自分も挨拶を返す。
「あの…さっきの人と何を話てたんですか?」
やはり、話した内容を聞いてくる辺り、二人の仲で何か有ったのだろうか?
「嗚呼、ただの世間話です」
そういうと彼女はホッと安堵したように溜息を吐く。
「そうなんですか?…あの人と知り合いなんで、なんかされたら言って下さいね」
いや、何かされたとしても言わない方が良い気がする。
俺の頭の中で警報が鳴ったのだ。
「あ、うん。分かりました」
俺は一応頷いた。
「では、私は授業へ行ってきます」
彼女は教室へと向かった。

「ようやく、一人になれた」
やはり、一人は落ち着くと思いながら軽く溜め息を溢した。
「さて、と。帰ろう」
独り言を呟いて自分も此の場から去った。

「ただいま」
俺は玄関を開けると同時に言った。
「おかえり、お疲れ様」
母は出迎えてくれたのだ。
「うん。有り難う」
素直に礼を言ったがやっぱり気恥ずかしい。
「今日は学校はどうだった?」
母は何時もの様に、相変わらず学校での事を聞いてくる。
良い加減にしてほしい。
鬱陶しいと思いつつ言葉を返す。
「嗚呼、何時もと変わらないよ」
そう言うと母親はくすっと笑って言った。
「そう?何時もと同じ事言ってるけど、最近は明るい顔で帰って来るじゃない」
そうだったのか?いや、違う筈だ。
俺がそんな顔で帰ってくるわけない。
「気のせいだよ」
俺はそう言った。
「そうかしら?」
「そうだよ」
俺は自分の部屋に行った。

翌日も彼に会う、怪野に。
「おっはよー!」
明るく挨拶をされた。
「おはようございます。朝から元気ですね?」
呆れた顔を浮かべて挨拶を返す。
「まぁ、俺は何時でも元気だからさ」
彼は眩しい程の笑顔を浮かべる。
「へぇ、そうなんですね。それじゃあ」
俺は此の場から離れようとした時、怪野に腕を掴まれた。捕まった。
「連れないなぁ、もう少し話そうよ」
「俺は一人になりたいんですが…」
強引にでも離れようとしたが、全力で頑張ったが…ちっとも、離れられない。
「俺は君と話したいんだけど…」
負けた、完敗だ。
諦めて、彼の方に振り向く。
「分かりました」
彼は笑ってこう言った。
「宜しい」
腹が立つ言い方だ。
「全く」
俺は溜め息を吐いた。
怪野は真剣な表情で話を切り出した。
「ところでさ、最近、照闇とはどうよ?」
「何故、聞くのか分かりませんけど、何もないですよ」
本当に何もない。
「そうなんだ?彼奴、まだ言ってないのか。なら良かった」
頷きながら俺に聞こえるかどうかの声で呟いた。
「ん、なんですか?」
何を言ったのか分からなかったので首を傾げる。
「いや、なんでもないよ」
怪野はの笑顔に戻り顔を左右に振った。
「そうですか」
変な奴だな、そう思う。
「あ、そろそろ時間だ。じゃあね」
あの「娘」には気を付けろよ、と付け加えて、手を振って教室の方に歩んでいった。

「あの娘に気を付けろよ…照闇さんの事か?」
「私がどうしました?」
呟いていたら女性の声がした。照闇だ。
「うわっ!…おはようございます」
驚いた、急なことで驚くのも仕方がないだろう。
一度、落ち着いて挨拶をした。
「おはようございます」
彼女は可愛らしい笑みを浮かべる。
「なんでもないですよ」
俺は先程の問いに、ぎこちなく笑って誤魔化す。
「んー、なんか怪しいですが…まぁ、なら良かったです」
照闇は一度眉間に皺を寄せたが笑顔に戻った。
「では、授業行ってきます」
俺も教室に向かった。
「頑張って下さい」
彼女は手を振ってくれた。

付き合ってくれませんか?

しかし、未だに怪野が言ってた事が気になる。
何を気を付けるのか、それを考えて居たら頭がパンクする。
「はぁ、今日はもう頭を使いたくない」
俺はそう呟いたが、やっぱり考えてしまう。
「ふふ、君は此処の生徒だったのか」
考え事している時に幼馴染に声を掛けられた。
「嗚呼、そうですよ…えっ!?」
俺は驚く。
何故、幼馴染がこの学校に?この前会った時は他校の制服だっただろう?
俺の頭の中は真っ白だ、思考が停止するような感じだ。
「あはは、驚いた?」
彼女は口許を手で覆うようにして笑った。
「当然だろ?…考え事してて頭が真っ白になりかけてたのに止めを刺された」
俺は溜め息をついた。
「どやっ」
幼馴染は言葉とともに、どや顔を俺に披露してくれたのだ。
「腹が立つわ…腹が立つ顔芸選手権グランプリ取れんじゃない?」
そう思うほどの顔芸だった、技術が高い。
「あ、誉められた」
彼女は顔を朱色に染めて、手で顔を隠した。
「いや、誉めてないから」
手を左右に振って否定した。
「ですよねぇ」
くすっと彼女は笑った。
「ところでさ、なんでうちの学校に?」
俺は話を変え、気になっていた事を聞く。
「んー、とね。私、此処に転入することになったの。宜しくね」
そう言うと俺の肩を優しく、軽く叩いた。
「マジか!…ん、宜しく」
再び、彼女の告白に驚くも笑みに変わって行く。
「さてさて、私は帰りますよ。君はどうする?ワトソン君」
人差し指を此方に向けてきた。
「ならば、途中まで御一緒させて頂こう」
「うむ。じゃあ、帰りますか」
彼女は御機嫌そうに、そう言うと帰る方向へ歩を進めた。
帰宅途中、寄り道しながら帰って行った。
「じゃあね」
「さらばじゃ!」
そんなやり取りをして別れた。

帰宅後、突然、トゥルル、と携帯から音が鳴り響く。
照闇からの着信だ。
「もしもし」
「あ、もしもし…あの、今、通話しても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
俺は笑って言葉を返した。
「良かったー。ちょっと、寂しかったので誰かと話したいなと思いまして」
はっきり言って迷惑だ。
相手に聞こえないよう顔から携帯を離して、溜息をついた後、携帯を再び耳につけて普段の声で話す。
「そうなんですか?」
「はい。それと丁度、家中さんとお話したいなと思ってたんです!」
「え?そうなんですか!?」
「はい!そう言えば…幼馴染さんって、うちの高校に来るんですね?」
幼馴染の転校知ってるなんて、と驚いた。
けど、まぁ、本人に会ったりして聞いたのだろうと推測して会話に戻る。
「そうらしいですね」
「良かったですね!今日も仲良くしていたみたいですし、カップルって噂が出るんじゃないですか?」
笑って彼女は言ったが、俺は恐怖で寒気がした。
あの時、周りに誰も居なかった筈だったのだ。
俺は唾を呑み込んでから発した。
恐らく声は震えていると思う。
「そんな事ないですよ。それより見ていたんですね?一緒に話しに来てくれでは良かったのに」
そんな俺の言葉に対して彼女は軽く笑ってこう言った。
「あんな仲良く話してたら入れませんよ。声が震えてますが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。気のせいですよ」
俺は一呼吸して、なんとか震えないよう頑張った。
「そうですか?…あ、じゃあ、私はこれで失礼しますね?電話ありがとうございました」
彼女はそう言った後直ぐに電話を切った。
俺は電話がが終わった後、冷や汗が出て、吐き気が襲い、身体も重く、ぐったりと壁に凭れた。

その数十分後にまた着信があった。
また彼奴ではないかと思い、恐る恐る携帯を見たら幼馴染だった。

ひきこもりvsやんでれ〜ひきやん〜

ひきこもりvsやんでれ〜ひきやん〜

ひきこもり男子校生と病んでれ女子高生の物語。 …よく、有りそうな物語(?) 男子校生を“殻”から出そうとする“病んでれ”女子高生。 男子校生、家中引男は“殻”と言う名の「家」「過去」から出されるのだろうか? 女子高生、照闇穂花は彼を笑顔で“殻”から出せないだろうか? 家中は“やんでれ”に耐えられるか? 照闇は“やんでれ”で彼を落とせるか? 此れから「僕らの2大戦争」が“今”始まるーーー。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-12

CC BY
原著作者の表示の条件で、作品の改変や二次創作などの自由な利用を許可します。

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  1. ねぇ?…何時まで、殻に篭っているの?
  2. “また御逢いしましたね”
  3. あの「娘」には気を付けろよ
  4. 付き合ってくれませんか?