死して力を得る。それが私たち、花の娘たちのチカラ。 死ねば花は枯れ落ち、やがて実を結び異形を成す。 花たちは力を得るために花粉をその身に受け入れ、死ぬための準備をしている。 そのことが、私はとてもじゃないけれど許せなかった。
その魔女は若くして私の師匠となり、私は魔女としての力を教わった。 「この力は決して貴女を決して不幸にしない」その言葉が、師匠の口癖だった。
「オタマジャクシじゃなくて金魚よ。昔一緒に夜店で掬った金魚。何時の間にかこんなに大きくなったの」
私の、誇りをかけた、最後の、挑戦が、始まる。
三逸民夫は、首尾よく降車できたのだろうか? それとも未だに靴底のいびつな感触に悶えているのだろうか。
文字はともかく音声は残りにくいものなのかと。