習作詩集

 行方知らず

吹かれ離れて舞い上がり、
水面(みなも)に降りた薄桃の、
花弁(かべん)漂う湖に、
流れる鳥の影ひとつ。

俄かに影は潜水し、
行方吞み込む水紋の、
光の上にしんしんと、
積もり続ける春の雪。


 よい

宵の明星見つけたら、
良い日でしたと祝うため、
酔いをまわして横になり、
余韻に浸り目を閉じる。


 いつかの赤

五つの鐘に急かされて、
いつか忘れる約束を、
偽りのまま交わしたら、
逸話になって色あせた。

開かなくなった箱の中、
赤いおもちゃの宝石は、
明かりを忘れ沈黙し、
証の意味を無くしてた。

習作詩集

習作詩集

ことば選びの練習。納得できるものが作れなくても、まずは更新してみることにした。(2017/6/29更新)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-14

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