時は移り天正九(1581)年、それぞれ二十二歳、二十四歳となった嵐と若雪は、互いに意識しつつも間近に迫る織田信長の天下統一に向けて立ち働いていた。 そんな折、庭内に紛れ込んできた少女・小雨と若雪は出会う。 「 さぁ始まる 紅に染まれよ 縁どられた 命の競演 カーニバル 」 この章から、物語の展開スピードが増します。 作品画像は、その目まぐるしさと、命の競演を意識したものです。
学生最後の夏休み。愛用している自転車に跨り、僕は今日もアルバイトをしている古書店へ向かう。 孫のように可愛がってくれる老夫妻に可憐な女性客、少し世話焼きだけど根は良い近所の人達。 のんびりゆったりとした時間が流れるここは、時に静かに時に騒がしくありながらもたくさんの人達を引き寄せる。 優しい一時は平穏な日々そのもの。変わらない毎日だけれども、キラキラしていて宝石みたいだ。 それは大事な事を僕に教えてくれていたー 住宅街にある古書店で繰り広げられる、切ない物語。