輪廻
輪廻は魂の帰る場所
魂の転生システムの要となる場所
僕の人生最期の日
ベッドの横に 腰かける君は
僕の手をきつく握り締めて ただ静かに涙を流す
先程から止まらない涙
小刻みに震える身体
嗚咽混じりに僕の名を呼ぶ声
君の全てが愛しくて 抱き締めたくなるんだ
動かない身体 薄れゆく意識
君に伝えなければならない事があるのに
どんなに近くにいても
もう伝える事すら叶わない
最後にどうしても伝えたかった言葉
「もしも・・・もしも生まれ変わったら・・・」
『 』
転生後の僕達は 別々の道を歩き出した
君との記憶もない新しい人生
そして僕はまた君を愛した
前世の記憶がなくても 前世以上に
身を焦がすような恋をした
君と付き合い 婚姻して 結婚して
多くの幸せな時間を君と過ごした
君は幸せそうな顔で僕に言う
「あの偶然が今の幸せに繋がっているんだね」
そんな君の言葉に笑いながら心の中でそっと呟く
「偶然なんかじゃないあの日の出会いは
きっときっと運命だったんだ」
心の中で何かがキラリと輝いた
それはずっと昔 来世に交わした最後の約束
「もしも・・・もしも生まれ変わったら・・・」
『また君を必ず探しに行くよ』
輪廻
こんにちは、お久しぶりの投稿となってしまいました黒豹です。
最近は外出する時間が減ってしまいなかなか作品のイメージが降りて来なくて苦労しています。
(私は基本的に気分で行動するので活動も不規則になりがちです)
さて、今回の作品は「輪廻」と言う事で
この作品は私が昔から持っている「転生というシステム」や「輪廻という世界への価値観」を取り入れた作品です。
死後の世界に関する価値観は人それぞれで、私とは異なる考えをお持ちの方はきっと多いと思いますがそこは広い心で読んでいただけると幸いです。
死によって引き離された恋人が転生を経てまた巡り合う…そういう関係を「運命」と言うのかなと私は思っています。
何か…運命ってロマンチックですよね!
どんな時も精一杯生きて一生を全うした後もずっとずっと思い続けられるようなそんな感情は愛しかないのかもしれません。そんな不思議で素敵な感情を大切にしたいですね。
作者はそう思います。
今回は小難しい話しになってしまいました。
「死」というテーマはあまり良いテーマではないとは思います。中には不快になった方もいらっしゃるかも知れません。
それでも…最期まで読んでいただけた事に心から感謝します。ありがとうございました。
それでは、また次作でお会いしましょう。