加賀谷樹里

君の声は僕の声  第六章 8 ─玄室─

君の声は僕の声  第六章 8 ─玄室─

櫂はそう言って黒い染みを手でなぞりながら口を固く結んだ。黒い染みの正体は少年たちの『血』だ

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君の声は僕の声  第六章 9 ─麻柊のイライラ─

君の声は僕の声  第六章 9 ─麻柊のイライラ─

今まで歩いて来た方角などわかる者はいない。道を探すのに精一杯であり、地下の曲がった通路を歩いてきて、誰も今いる位置など把握していない。誰もが杏樹の並外れた、というより人間離れした方向感覚に言葉を失っていた

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君の声は僕の声  第六章 10 ─麻柊の我慢─

君の声は僕の声  第六章 10 ─麻柊の我慢─

「僕はこの古代文字の解読をしたいんだ。君にできるか? 頭を使えないなら、君は体を使う。──それでいいだろう」 杏樹はあっさりとした口調でそう言ってのけた。麻柊は歯を食いしばり、拳を握りしめた。おそらく『玲』には麻柊を挑発するつもりはない。

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君の声は僕の声  第六章 11 ─女の声─

君の声は僕の声  第六章 11 ─女の声─

いいか。ここは墓なんだ。さっきだってあれだけの骨が転がってたんだぞ。生贄にされた霊もいるんだ。幽霊なんてそこら中うようよしてるんだよ

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君の声は僕の声  第六章 12 ─解せない杏樹─

君の声は僕の声  第六章 12 ─解せない杏樹─

杏樹。君が何かを隠していることは、寮のみんなが知っていることだよ。だが、誰もあえてそれを聞こうとはしない。寮にいるやつらはみんな人に言えない秘密や悩みを抱えているからな。──だが、君は少し違う

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君の声は僕の声  第六章 13 ─眠り─

君の声は僕の声  第六章 13 ─眠り─

捨てられた都。 忘れられた遺跡たち。 ひとつの文明が母なる大地に抱え込まれ、ひっそりと息をしながら長い眠りについている ──そんな静けさがある

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君の声は僕の声  第六章 14 ─月夜の神殿─

君の声は僕の声  第六章 14 ─月夜の神殿─

ここがかつての聖地だからなのか。ここで暮らした人々の大地に染み付いた想いが、人々を見守っていた神々の眼差しが、月の光に彷徨っているような……。 聡は闇に浮かぶ神殿を見上げた。

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君の声は僕の声  第六章 15 ─月光の糸─

君の声は僕の声  第六章 15 ─月光の糸─

棺を囲んでいるのは、棺に寄りかかりながら、お互いもたれるようにして座わり、ミイラ化していた少年たち。その異様な光景に息をのんだ。部屋に足を踏み入れて聡は気づいた。夕べ見た光景。神殿の小さな部屋の床。無いはずの穴に差していた月の光。闇へと消えていた光が差していたのはこの場所ではないのか……。

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君の声は僕の声  第六章 16 ─賢者の石─

君の声は僕の声  第六章 16 ─賢者の石─

つまりこの骨は、少年の骨であると同時に老人の骨でもあるという事ですよ

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君の声は僕の声  第六章 17 ─告白─

君の声は僕の声  第六章 17 ─告白─

今泣いていたのは『心』心は小さな子どもだ。そして、森の中に逃げて行ったのは『陽大』だ。僕も彼らも、杏樹ではない。僕は杏樹でもないし、陽大でもない──見ろ、誰も信じやしないじゃないか

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