「ねえ、ねえ、あなたったら」 妻が少し甘えたような声を出したので、久々の休みでゴロゴロしていた大柴は、イヤな予感がした。「うん?」「今ちょっと手が離せないから、回覧板を持って行って欲しいんだけど」 そら来た、と思いながら、念のため......
Sランクの至高のメロンパン。これを手にするは真の強者のみ。 そう、ここは強い者が勝ち、弱い者は容赦なく蹂躙される戦場。 己の頭脳を駆使し、心理戦による読み合いの先の勝利-メロンパン-を掴むものこそが生き残る世界。 「いくぞ勝負師達よ、じゃんけんの準備は充分か」 一つのメロンパンを賭けた昼休みの争奪戦が今、始まる。(全2章)
気が付くと真っ暗だった。どこまでも真っ暗だった。 聞こえる見知った友達の声。そこは、声に出して言ったことが描写される謎の世界だった。 私達はどうなるのだろう、そして、この謎の空間はなんなのだろう。(全2章)
「めくるめくきりもり」「帰ってきたきりもり」に続く、きりもりシリーズ3作目。もりのときりえが再び同居を始めて二ヵ月経ったある日。きりえはもりのの恋愛遍歴に興味があるという。過去を話す趣味のないもりのだったが、きりえのリクエストにしぶしぶ応え、エピソードを語り出す。「悪趣味なきりえちゃん」「初めての男の子」「初めての女の子」「タカライシの先輩」「男役が好きな男」「タカライシの後輩」「憧れのきりえさん」--全7話完結済。全エピソードにきりえも登場します。※女同士の恋愛を描いてます。※この作品は架空の物語です。実在の人物、団体とは一切関係ありません。モデルを特定し、現実と混同しないようお願いします。
タカライシ歌劇団ダイヤ組男役トップスターのきりえと、男役スターのもりの。二人がめくるめく愛の冒険をくりひろげる物語。きりえは女性経験がなかったが、恋人役で共演した作品をきっかけに、両性的な魅力を持つもりのに、うっかりあっさりはまる。きりえには、女性の理想の男性像である男役を追求するからこそのヒロイン願望があり、もりのはその理想そのものだった。もりのは出世に無欲な上に、穏やかで押しの弱い性格から、スター街道の崖っぷちに立っていた。もりのはそんなことはどこ吹く風と、懐の深い男役を追求しつつ、きりえを全身全霊で愛し、支える。全17話、完結済。※大人の女同士の恋愛を描いてます。※この作品は架空の物語です。実在の人物、団体とは一切関係ありません。モデルを特定し、現実と混同しないようお願いします。
人畜無害の少年と、髪の長い少女、髪の短い少女。この三人を中心に進んでいくホラー小説。僕らの学校には、どこかユニークな七不思議が生まれていて、でもその実態は……衝撃の結末が待つホラー・サスペンス小説。
いろいろなお菓子で彩られた魔女の国。十二歳になったシフォンは一人前の魔女になるための儀式が執り行われる大魔神さまのお屋敷に向かう途中、一人の老人に出会う。
どこにでも居る主(ぬし)。 工場で体験した主との一騎打ちとは? 主とは? 勝利をおさめたのはいったい・・・。
冬のある夜、高校2年生の古市勘太郎は母から買い出しを頼まれる。いつものように向かった場所は牛の鳴き声がする自動販売機。 そこでいつものように牛乳を買うが出てきたものはまるで違うものだった。
実体験。私小説。 無邪気に遊ぶ幼少の頃の自分。 変な人とも普通に遊んでいた。 でもやっぱり変な人だった。
「内定者研修だからって無給じゃないよ。ちゃんと給料は出す。うちはブラックじゃないからね」そんなこと当たり前だと思いながらも、杏野は笑顔で「ありがとうございます」と礼を言った。とりあえず、この丸岡という若い編集長には印象を良くしておこうと......
カメは万年などというが、実際の寿命は三十年ぐらいらしい。それにしても、他のペットに比べて長生きであることは間違いない。明美は小動物が好きで、小学生の頃から金魚や小鳥を飼っていたが、皆短命だった。比較的長生きしたハムスターが、目をつむったまま動かなくなっているのを見つけた時は、胸が締め付けられるような思いがした。だから、次に飼うなら、絶対長生きする動物にしようと決めていたのだ......
今年の春から大学生になった和田が、『都会で一人暮らしをしている人たちが仲良く笑顔で鍋を囲む会』という長ったらしい名前のパーティ(?)のポスターに気付いたのは、そろそろ木枯らしが身に染みる頃であった。そのポスターは学生課の掲示板ではなく......
いつもの様にお犬様のお散歩にお供する私。 そんな当たり前の日常だが、散歩を通して最近増えつつある危険にスポットをあてた。 ”この人ストレスが溜まっているのかのぅ・・・” と思ってしまう事例。