私とみかん。

私の人生に入ってきた大きな大きなみかん。

傷心から1年。

「ちょー、男紹介して〜!!」
これが、社会人一年目の私の口癖。
何の恥ずかしげもなく、友達と顔を合わせる度に発していた。

この頃、以前の彼氏と別れて丁度1年が経とうとしていた。人生で2人目の彼氏。
恋愛経験が大学まで皆無だった私にとって、【彼氏】という存在はとても大きいものだった。1人目とも、2人目とも、お付き合いをした期間は3ヶ月未満。実に短い。中学生でももうちょっとうまくやるだろうに。
フラれて終わってしまうというのがいつものオチだった。
そんなオチはもう、まっぴら。2度と味わいたくない…と思うのも、1年が限界。
「あかん、もうあかん、彼氏欲しい…もう誰でもいい…顔とかどうでもいいから私のこと好きな人連れてきて…」
「無理言うな」
どれだけの友達との押し問答を何度繰り返しただろうか。


そんなある日、ドラマでしか観たことのなかった【合コン】という名の飲み会への誘いがきた。
でも私は正直期待は全くと言っていいほどしていなかった。
なぜならこの合コンまでに紹介してもらったり、飲み会に誘ってもらったりしたが、やはり自分にも好みがあり、誰でもいいというわけでもなかったということをジワジワと感じていたからだ。それと同時に、所詮自分なんて相手にされないだろうと思っていた。

なーんてことを思いながら地味に髪の毛を巻いちゃったりなんかしちゃって、香水もつけてみちゃったり、メイクもいつもより気合いをいれてみちゃったり…やることはちゃっかりやってから挑んだのは言うまでもない。

私とみかん。

私とみかん。

ごく普通に生きてきた私と、【走り屋】の彼とのはじまりと日常。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-13

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