「大きな魚が居たんだけどね、最近やっと死んでくれたの。お祖父さんがお魚好きで買ってきたんだけど、魚より先に死んじゃうものだからねぇ」
「お姉さんどうしたんですかー? 具合でも悪いの?」 「私もね、ここで座っていたら猫になれる気がしていたの」
人間は、天使と悪魔から産まれた子なのかもしれない
次に会うときは、ただの知り合い。
僕は言いだせなかった。嫌だという一言が
夏休み、天体観測に行かない? 君の目が見えるうちに一緒に色んなものを見たい
卒業まで待って、なんて漫画みたいに言える大人じゃなくてごめんね
小さいとき花火が嫌いだった 大人になるって変わることだ
「先生、先生ってボクのこと好きでしょ?」 「なんでそんなこと分かるんだ?」 「分かるよ、だってボク先生のこと好きだもん」
「フラれたよ、昨日」
真っ黒な詰襟はわたしにとって喪服といっしょだ
世界でふたりぼっちになれたらいいのに
夫の葬式は静かに雨が降っていた 五十年仕えたメイドと彼を見送る
ストリップショーで観た白い性器は果たして正しかったのだろうか
彼女って呼ばれたい 三人称じゃなくて、大切な人という意味で
プールの底には今もまだ俺の死体が腐敗を続けてる。 あってはならない過ちと向き合う日
胸当ての奥には少女の秘密が隠れてる きっと私は彼女のことを憎からず思っている
――旦那さんに見られて嬉しい? おねえちゃん。
私は誰のことをも愛せずに死んでゆく この黒い河に流されて
俺は家族を失い、ツクも母を失った ねえ、ツクにも愛は分かるのだろうか