寒いのか暑いのか分からない凍てつく雪原。そこを春を支えに、一歩一歩踏みしめて進んでいく。 進んでいるのかすら分からないけれど、一歩を出す。雪の深さに足をとられ、疲労はたまる一方。コンパスのような羅針盤のような指針さえあれば。 けれど、そんな誰かが作ったものの明かりは、直に凍てついて使えなくなる。 その他力に寄ってくだけて、倒れて、そこで気がつく今の居場所。
芸術学部への進学を目指し、毎日近所の湖でスケッチをしている茂里。夏休みのある日、彼女は湖上に立つ八重垣姫を写真に撮る恩田志朗と出会う。 八重垣姫が誰なのか知らない茂里は、生粋の地元民である親父に話を聞く。以来八重垣姫はたびたび茂里の妄想に登場し、恋愛について口を出すようになる。 ある日茂里がいつものようにスケッチをしていると、足の悪い男が近付いてくる。するとその男との接触を阻むかのように、一匹の白蛇が茂里の前に現れる。
芸術学部への進学を目指し、毎日近所の湖でスケッチをしている茂里。夏休みのある日、彼女は湖上に立つ八重垣姫を写真に撮る恩田志朗と出会う。 八重垣姫が誰なのか知らない茂里は、生粋の地元民である親父に話を聞く。以来八重垣姫はたびたび茂里の妄想に登場し、恋愛について口を出すようになる。 ある日茂里がいつものようにスケッチをしていると、足の悪い男が近付いてくる。するとその男との接触を阻むかのように、一匹の白蛇が茂里の前に現れる。
朝という始まり。そしてその息吹を彩るコーヒーやコンロ、またトーストとバター。 朝食も、窓から訪れる鳥のさえずりや空気。全てが溶け合って奏でる、ひとときを。
僕は病院で、美しい少女と出会った。彼女はどこまでも美を追求し、そして僕を蔑む。 誰かがいなくなっても、世界は今日も変わらず廻り続ける。