BLAZE-ブラザ-

果てなき夢求める座標(しるべ)なき世界で、、、

「うわー!!スゲー!!」
俺は、初めての海外旅行で、感嘆の声を上げていた。
「、、、ん?何かあそこでやってる?」
好奇心にかられ、声が聞こえる所へ行くと、俺と同い年位の女の子が絡まれていた。
多少英語が得意な俺は、助けようと割り込むが、相手は結構ガタイのでかいヤツが3人いて、 (ヤ、ヤバイ、、、殺される?)
そう思ったものの、
《あんたら、何やってんの?相手、女の子じゃん》
そう、英語で言うと、相手に笑われた。
ムカッときた俺は何故か殴ってやりたくなったが、、、
(落ち着け、けんかヤツと殴りあったらマジで死ぬし、、、)
そう思ったものの、ダチから言われる、"どこかイカれてる"俺は、
やっぱり殴っとこうと思い、殴った。 すると、
《痛い!!殴ったわね!?乙女の顔を!!》
そう言い捨て、逃げてった。
あっけにとられた俺は、何で殴ったんだろう?そう思ってしまった。
その後、女の子の事を思いだし、
《大丈夫?》
そう聞くと、女の子は泣きそうな顔で、
《あ、ありがとうございます!》
と言った後、何処かへ行ってしまった。
(何か、可愛かったな、、、)

その夜、寝れなかった俺は、ふと、ベランダに行きたくなり、ベランダに出た。
すると、どこからか、静かに続く、ためらいもない、綺麗な歌声が聞こえてきた。
驚いた俺は、声が聞こえる、下を見ると、今日の昼に助けた女の子だった。
その時、何故か俺は思った。 俺は、この子を守りたい!と、、、


次の日、昨日の女の子が、ホテルを出かけたので、俺も親と離れ、ホテルを出た。
《ね、ねぇねぇ、君、昨日の子だよね?》
そう聞くと、
《そ、うだけど、なに?》
女の子は泣きそうな顔で聞いてきた。
俺はとっさに、《き、昨日、歌ってたよね!》
そう言ってしまった。
《どうして?》
《俺も、寝れなくて、ベランダに出たら、君の歌声が聞こえて、、、》
あたふたと答える俺に、彼女が、笑ってくれた。 嬉しくて、俺はまたととっさに、《お、俺、君の事、ま、守りたいんだ!!》
(言ってしまった、、、)
《変なの、、、》
そう笑う女の子。《でも、守るのは、たいへんよ?》
訳のわからない俺は、そう聞くと、
《私の両親ね、いろんな外国で会社を建てて、結構疎まれてるの。
だから、私も、狙われてて、、、》
《そ、うなんだ、、、》
結構シビアな話を聞いた俺は、少し引きかけた、が、
《で、でも、勝手に守っても良いよね!?》
そう言い、俺は自分の強さを語った。
すると、彼女はまた、《本当に変な人、、、》
そう言ってまた笑ってくれた。
そして、俺は決めた、(俺、このアメリカに住む!!)そう、決めた。
その日は、日本に帰る日だったが、両親を必死に説得した。
「俺、好きな子が出来た!!その子を、守りたいんだ!!」
初めは母さんも父さんも反対したが、父さんは許してくれた、母さんも、渋々許してくれた。
だがその日はまず帰国し、その一週間後、アメリカの小学校へ行く事になった。
俺の家系は、代々SP等を輩出している。
だから、俺も結構強いほうだ。
そして、一週間後、、、
俺は、アメリカの小学校へ編入した。
もちろん、学生寮に住む。
そして、俺は、その日からあの子のSPになる訓練を受け初めた。
結構キツイ
毎日、筋肉痛の俺を、同じ寮で、同じ部屋のマイナンがよく励ましてくれた。
俺は、絶対に、あの子のSPになる、と決めていた俺は、絶対に泣き言を言わなかった。

それは、6年続いた。

俺は、高1になっていた。

その日、俺は、実施試験があった。
初めて、人を守る、その日は、大切な日だ。

「うしっ」
気合い入れをして、スーツを着る。
顔を叩きさらに気合い入れをして、その場に行った。

ホテルを出ると、なんと、パパラッチなどが群がっていた。
あの子の親の会社は今、絶頂期を迎え、いろんなカメラが集まっていた。
そのもみくちゃの中に俺は入り、彼女の父親を守る役割を担っていた。
その時、端から銃を持ったヤツが走ってきた。
俺は落ち着いて、そいつから銃を奪い、ねじ伏せた。
と、その時、横からもう一人、銃を持った男がいたが、気付かず、
撃たれた。
鋭い痛みが走る。 急所は外した。
だが、彼女は絶叫して、こっちに近づいてきた。
《だめです。お嬢様、離れて下さい。》
そう言ったが彼女は離れなかった。
《いや、死なないで、、、》
泣きながら叫ぶ彼女。
《好きよ、あなたが好き、私を守るって言ったじゃない、その約束、破らないで、、、》
その言葉に俺は驚いた。無理だと思ってた、雇い主の娘との恋、
《俺も、あなたが好きです。》
周りの喧騒を忘れ、俺も、告白していた。
《俺は、初めて、あなたと会ったあの日から、あなたが好きでした》
そう言うなり、彼女は俺を抱きしめてきた。
《痛てて、、、》
《ご、ごめんなさい》
慌てて離す彼女。
俺はニッコリと笑い、彼女の手の甲にキスをした。
その後、周りのざわめきに気付き、俺は照れたように、黙り込んだ。
その時、《エミ、本当に、この男で良いんだな!?》
エミの父親が、急に割り込んできた。
《ええ、良いわ》
そう、彼女は迷いのない声で言った。
《君、名前は?》
《舜、杖牙之 舜、です。》
《舜、私の、大事な娘を、よろしく頼むよ》
そう、目に涙を浮かべて言うエミの父親に俺は、《はい!!》
そう答えた、、、。

『果てなき夢求める座標(しるべ)なき未来で
僕が輝(ひかり)無くしても いつか
君が灯してくれた煌く胸の炎 翼にかわる
希望の破片(かけら)』

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-18

CC BY-ND
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