Pixivで連載していた『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の八雪逆行モノを、再編集した総集編です。
湖のほとりにはスケーターズ・ワルツが流れていた。この町ではスケートがうまくすべれるかで人生が左右する。ベンは町の名士の娘ジルと結婚した。気づけば年をとっていた。ベンは二人の思い出を取り戻すために湖にでかけた。
芝生の広場には一定の間隔ごとにカプセルが並んでいた。[39]番。それが彼にあてがわれたカプセルだった。カプセルの中で彼は様々なバーチャル世界を体験する。そしてそこにはいつも彼女の視線があった。突き刺すような恐ろしい視線だ。やがて、彼と彼女との関係性が明らかになっていく。それは、殺す側と殺される側という役割だった。繰り返し、繰り返し、その役回りは襲ってくる。逃げることはできない。
結婚は難しい。僕は彼女にプロポーズをした。彼女は僕と結婚をしたくないわけじゃないらしい。でも、したいわけでもないらしい。女は未知の生物だ。かわいい顔をして何を考えているかわからない。結婚生活、それは未知の生物との限りない戦いだ。僕はその権利を勝ち取るため、カンガルーに会いにいった。
死のまわりシリーズ3/3話。我々は愛を体験するために、この世界に生まれてきたのだろうか。愛を感じるためにはやはり、死というルールは不可欠。死の場面で体験した感情とは。死のことの物語。
きりんは僕の通う店にいた。「首が長いからきりん。そう覚えてね」彼女は言った。彼女の願いは叶えられた。 けれど、願いが叶い過ぎた彼女は不安を抱えている。彼女は心配のあまり深刻な不眠症だった。 僕は間もなく死を迎えようとしている。築き上げた莫大な財産に意味がなくなるのだ。 最後に僕らが望んだのは、ささやかなもの。
僕はカレー専門店の店長だ。僕の作るカレーは暗黒のように真っ黒い。僕はそのカレーを17年煮込み続けている。その間に僕は恋人を殺し、大学のサークル仲間を殺し、新しい恋人まで殺してしまった。黒いカレーにはそんな彼らの亡骸と残された思いが溶け込んでいるのだ。そのカレーを求めて、連日、僕の店にはたくさんの客が訪れる。
私は体に水玉の模様を持っている。それは「彼」がつけてくれたもの。その水玉は私を自由にする。私は自由な夢を見る。夢の世界はリアルなのに、現実はぼんやりと像を結ばない。でも、私はここに生きている。私はここで彼を待っている。
旅行前夜にトイレが壊れるなんて、不運だ。しかし、本当の問題はその先にあった。元凶は僕にあるのだろうか。トイレには亡霊が現れ、妻は便秘になって口をきいてくれない。
貴方は竜を愛せますか? 父母を竜に殺された少年は、なぜ竜に恋をしたのか 竜に父と母を殺された少年・ハオス。 身寄りのない彼は、日銭を稼いで生きていくために冒険者になった。 両刀使いの女剣士をパーティーリーダーとし、ロリコンエルフにホモドワーフ、のじゃロリ鬼婆に殴り女神官という濃いメンバーとともに街では最強の冒険者パーティーとして名が通っていた。 ある日その街を、暴れまわる竜による災害〈竜災〉が襲う。 数多の竜が街に襲いかかるなか、ハオスたちはその中でも最も強いと予想される〈九頭竜〉の討伐を任されるのだった。 死闘の果て、ハオスが出会ったのは、かつて、ハオスが恋した竜を殺し、英雄と称えられているこの国のお姫様だった。
僕はある日、森の中で兄の死体を見つけた。それから兄の死体が腐敗し朽ちていく様を見るのが僕の日課となった。兄の遺体に様々な生き物たちが集っていた。僕と兄は森の中で二人だけの親密な時間を過ごした。
お金持ちたちが住む高層マンション群。ふとしたきっかけで僕はそこの住人になることができた。しかし、その世界は、僕が慣れ親しんだ世界とはちょっと違っていた。僕は彼女を部屋に招いてプロポーズをした。でも、フラれた。僕は一人ぼっちになり、辺りは猫に埋めつくされていた。